<><><><><><><><><><><><><><><><><><>

アロエの花は赤い2009/01/02

アロエの花は赤い
大方の人が持つ伊豆の印象は温泉が各地に湧き出す温暖な地ということで、先ず一致していると思います。11月も半ばというのに温泉宿の脇には秋の七草、ハギやオミナエシなどが未だ咲き誇っていました。しかし、温泉街を外れると冷たい風が強く吹き、気温は東京や千葉と大差ないように感じられます。

12月に入ると、アロエの赤い花が咲き出しました。このアロエは稲取のあちこちの沿道に自生しています。もちろん植えつけたものもあるのでしょうが、こんなところにと思える場所にまとまって見られます。その赤い花があまりに鮮やかなこともあって、最初、‘町の花’ではないかと思っておりました。ところが、東伊豆ワイン工場に立ち寄ったとき、アロエのワインが売りに出ていたので売り子に聞くと、‘町の花’はイソブキ(ツワブキ)の花だと言います。

‘町の花’の名はさておき、到る所で見られるアロエがワインになっているというので一本買うことにしました。この工場はミカンワイナリーがウリです。試飲してみると、ミカンワインは甘さを抑えてマズマズの味です。でも、私にはアロエのワインのほうが飲みやすいように感じました。

アロエが赤々と生垣を染め出してから間もなく、スイセンの白い花が咲き出しました。かすかに甘い香りを漂わせています。先年、城ヶ島を訪ねたとき、スイセンの広大なお花畑を見てまわったことがありました。三浦半島も伊豆半島もその先端は同じような気候なのでしょうね。この稲取ではアロエと同じように至る所に自生しています。

道端の土手に咲いていたスイセンの花が女房殿によってきのう二本、きょう三本と摘まれ、細長い花瓶に挿されて我が家のトイレの片隅でつつましやかに微笑んでいます。

黒いサギがいる!2009/01/04

稲取漁港
稲取にはいろいろな野鳥がやってきます。
先日、稲取港の漁船が並ぶ入り江にクロサギを見つけました。波打ち際をウロウロ餌を探していました。女房殿が最初見つけ、私も得体の知れない鳥だなあと眺めておりましたが、そのうち、脚や指が黄色いのと、首を曲げるしぐさがどうもコサギに似ていることから、クロサギだ!とヒラメイタのです。

図鑑によると、羽毛の白いクロサギがいるというから紛らわしいですね。いずれにしても、クロサギは関東では珍しい野鳥です。

別の日には、同じ入り江にオオバンが一羽泳いでいました。山の中の池や沼で見かける水鳥という印象がありますので、これもまた私には珍しい感じがしました。それから、この稲取港にはカモの姿がありません。習志野の茜浜では初冬にはたくさん集まってきましたのに。ただ、ここでは釣り人が大勢いますので、釣り針や糸の犠牲になることを考えると、姿が見えないほうが良いのかも知れません。

部屋から稲取港を見下ろしていると、天空をゆったりと舞うトビの姿を見かけます。左下には神社があって、背の高い松やらが多少森の雰囲気を漂わせ、そこに野鳥が集まります。特にトビより体が小さく、その割りには尾が長く見えるタカが立ち木の天辺に止まることがあります。ハイタカではないかと思いますが、写真撮影できてないので断定できません。

12月の半ば頃、冷たい風が吹き始めたと同時に、ジョービタキとツグミが姿を現しました。ジョービタキのオスは全体の彩りが綺麗なので、私たちはその大ファンです。私たちのマンションから直接海側の道路に出る急な坂道の生垣の中に見つけました。また、その近くにリスが2匹チョロチョロしているのを見つけて興奮したものです。

そのほか、稲取駅のそばを流れる沢にいたのがカワガラスです。全身真っ黒で、尾を威嚇するように立てて小石の上で上下動してから、さっと下流のほうへ水面上を低く飛び去ってゆきました。キセキレイも別の小川で目にしています。

それから、首の周りが青黒く、腹がミカン色のイソヒヨドリも私としては久しぶりに見る野鳥でした。ヒーヒー鳴くヒヨドリと違って、チルチルチル・・・と美しい声です。

伊豆に来て野鳥が豊富なのを幸せに思いますが、新しい年が明け渡りの季節が近づくと、普段見られなかった野鳥がもっと姿を見せてくれるに違いないと、今、私たちは密かに期待しているところです。

足湯2009/01/06

足湯
伊豆の温泉地では足湯を良く見かけます。
ここ稲取でも2箇所あります。ひとつは目の前の徳造丸の一階が無料で開放されています。もうひとつは、文化公園の足湯です。ここで先日孫たちと一緒に足湯を楽しみました。

先月初めてここを訪れたときは、上のヤオハンで買ってきた弁当を野外で食べようとベンチを利用しただけで、足湯には入りませんでした。そのとき私たちとほぼ同時に入場した外人の若いカップルがものめずらしそうに湯船を眺めやると、やおら靴を脱ぎ二人ともに足を浸し始めました。そして、私と目が合うとグーと、親指を突き出したのです。余ほど気持ちが良かったのでしょう。私も次の機会には是非入ってみようと思いました。

文化公園の足湯は室内と室外があり、この日は風が冷たかったので室内に入りました。温度は43度ぐらいでしょう。全身浴には少し熱い温度です。でも、気持ちよくゆったりといつまでも座っていられます。10分ほどすると、汗が吹き出てきました。全身がポカポカしています。なるほど足湯の効能が分かるというものです。

この正月の3日に河津温泉を訪ねてみました。日帰りで入浴できる「踊り子温泉会館」が目的です。稲取から二つ目の駅の河津駅で降り、河津川を遡ります。言わずと知れた河津桜が沿岸に並び、遊歩道も整備されていました。桜は未だ蕾みの状態で一輪だけ咲かせた木がありました。要所、要所にトイレがあり、何と、傍には足湯の東屋が立っています。踊り子温泉会館までの間に、確か3箇所もありました。管理人が常駐しない小さな足湯です。それぞれ何人かが入っておりました。若い人が多く、観光客ではないような感じです。

犬を連れたオバアサンが結構早足で追いついてきたので、道を聞くと、5,60メートル先のところだと教えてくれてから、こう言いました。
「私たちはそこへは行かないね、500円は高いもの。たいていは観光客だよ」
入湯料は1000円だが、東伊豆町の人は半額です。
「私たちには共同で管理している温泉があってね、普段はそこを使ってる。当番を決めてね、管理をしてるの」
なるほど、そういうのは他でもよく聞くことです。
「個人の家に温泉を引くには250万したのが、2年前に100万円で引けることになって、引いてる家が増えました」
自分から、あと3年で90歳になる、と話すオバアチャンは顔色がよくつやがあり、腰も曲がっておりません。
「青森からここへ来て50年になるけど、私は朝風呂が好きでね、こうして歩くのも好きなんだよ」
素晴らしい健康法の持ち主ですね。100歳は軽く突破できるでしょう。

踊り子温泉会館は,こちらは足湯ではありませんが、思ったより人が少なく、ゆっくりと入ることができました。

はつもうで2009/01/07

八幡神社 去年11月にお参りしたときの写真です
まだ松の内ということで、遅ればせながら初詣のご報告。
元日の朝、お雑煮で新年を祝ってから女房殿と一緒に出かけました。私どもの隣には立派な神社があり、いつもこの神社の脇を通って海岸通りに出ています。引越しが一段落した折に、一度二人で転居の挨拶に寄りました。きょうは新年の挨拶です。境内は狭く、海に向かって急な石段が長々と続きます。下まで行くと、鳥居に「素盞鳴神社(スサノオ)」と書いてありました。きっと海の安全を守る神なのでしょう。

海岸通りに下りてから町役場の前を通り、道祖神の所で右へ折れ、静岡銀行の通りを左に下ってゆくと、間もなく八幡神社の参道に出合います。稲取の人たちは殆どがこの神社に初詣するそうで、さもありなん、かなりの人出がありました。

縁起を読むと、かなり古い神様であることがわかりました。祭神は穂都佐和気命(ほっさわけのみこと)で、徳治2年(1307年)の創建。源頼朝の寄進した守本尊で慈覚大師作の薬師像が祭られているほか、境内には頼朝が水垢離したという井戸がありました。そういえば、伊豆は頼朝と深い関りがあった地でしたね。

参拝を終えると、最後に榧の寺へと向かいます。朝市が開かれている町役場まで戻って、稲取駅へ上がってゆきます。駅の手前、坂を左に上がりこむと到着です。

このお寺は済広寺といい、樹齢700年を超える榧の巨木が有名です。本堂下の地下道をめぐってゆくと、災難除けの御利益が得られるということです。私たちも真っ暗な中を手探りで進みました。宝物館にはビルマの国宝の釈迦如来像などが展示されていました。
由緒あるお寺にしては参拝客が少ないのが不思議でした。

こうして転居後の初詣を無事済ませることができました。先ずはとにかく、今年一年が良い年でありますように。

日帰り温泉2009/01/10

今井浜駅 背景にピンクのサクラ
先週の「河津踊り子会館」に続いて、きのう「今井浜サンフィッシュ」に行ってきました。
わがマンションは大浴場があっても温泉ではありません。折角リゾート温泉地にやってきて温泉とは無縁では格好がつかないというわけで、一週間に一度くらいは温泉に浸かろうと決めました。

入浴だけでも可能なホテル・旅館は料金が高額です。そこで、公的施設がないものか探してみました。たまたま東伊豆ワイナリーにアロエのワインを買いに寄ったとき、そこのオバチャンから東伊豆の日帰り温泉を3箇所教えてもらいましたので、ネットで詳しく調べておきました。

先週訪れた河津踊り子会館はそのひとつだったのです。ここは比較的規模が大きく、大浴場と露天風呂があり、広いフロントのほかに細長いテーブルが何列か並んでいる大休憩室もありました。他に喫茶・軽食ルームもあります。客はテレビを見たり横になったり、おもいおもいにリラックスしておりました。

今回の今井浜サンフィッシュは稲取の隣の今井浜駅から歩いて5分のところにあります。初めての今井浜駅は小ぎれいな駅で駅員がひとり勤務していました。
「下田よりのホームに犬の糞があるのはどういうことですか?」と、女房殿がいきなりその駅員に声をかけました。私は気が付かなかったのですが。
「えっ?ホントですか?わかりました。あとで処置しておきます」と、それを聞いた駅員さんがその言葉の割には無表情で答えました。電車の中に犬を連れ込むことはないでしょうから、タヌキか何かが山から侵入してきたのではないかと私には思われました。

そんなのんびりした、他に人の姿もない駅舎を出て階段を下ります。高台の民家のサクラが目に飛び込んできました。濃いピンクがとても鮮やかな寒緋ザクラです。

国道135号を横断して海岸通りに出ると、大きな温泉ホテルがあります。目指す施設は稲取方向に500メートルくらい行ったところにありました。その間、民宿が目白押しです。湯の町らしく下水道からは湯気が出ていました。

サンフィッシュ今井浜は海岸に直接面していました。想像していた通り小規模な施設です。親切丁寧なフロント女性の案内を聞いてから、料金500円ずつ支払って靴を脱ぎます。一般には料金は1000円で、踊り子会館と同じように東伊豆町在住者は半額の特典を受けられます。

内風呂はわがマンションと同じくらいの大きさで、洗い場は10席くらいありました。目の前に海が広がる景観は踊り子会館にはないものです。露天風呂は2種類あって、海中の露天風呂と屋上に展望風呂があります。今日はあいにくの悪天だったため、内風呂だけにしました。次回が楽しみです。

フロントと一体の休憩室は畳敷きなので寝転んで休めます。原則的に飲食は禁止ですが、今日は客が少ないので目こぼしをしてもらい、コンビニで買ってきたオニギリで昼食としました。その後、新聞など読んでゆったりと過ごしました。こういう気の抜けた一日も悪くないですよ。