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「日本の理想 ふじのくに」 ― 2011/02/24
静岡県知事の川勝さんが書かれた本「日本の理想 ふじのくに」をたまたま山田書店で立ち読みして、面白そうなので購入してきました。本書は日本が「富国有徳」の理想郷になりうる根拠を多面的に論じています。
著者は、「文化が求心力を持ち遠心力を発揮すれば」それがほうぼうに「場」を得て文明となる、という概念を前提にして「日本という場の発する力を読み解くこと」が今の日本の課題だと言います。
つまり、聖徳太子の「和を以って尊しとなす」以来、和が定着している日本、そして西洋文化の吸収と消化を既に卒業した日本の文化・文明の中にこそ、そのカギがあると言うのです。
著者はそれを東西の比較文化の上から、また東西の哲学史、宗教史や日本の文化を具体的に論じながら、豊富な知識で解明してゆきます。その筆致は実に明快で、読み進めていて、時に心配になるくらいです。
経済史専攻で哲学博士でもある学者が地方政治の指導者として現在2年目に入り、いよいよ県民の期待は大きくなっています。本書にざっと目を通して、理想的な人が県のトップについたなというのが感想です。
それから、富士山が単なる自然ではなく文化的景観であるとして、「ふじのくに」への思い入れを語っています。県民であれば必読の書です。
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