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伊豆33観音巡り2の22014/08/04

時刻は10時少し過ぎ。取りあえず禅海寺へ向かう。枝道に目をくれず、道なりにゆくと案内標があって場所は直ぐに解った。山を背景にした堂々たるお寺である。民家の建てこんだ細長い参道には車が並んでいる。寺の境内では収まらない数台の車。さてはと思ったら、やっぱり、法事の最中だった。

 

それでも庫裏の方の玄関で声を掛けたら、奥さまが出てこられて気軽に御朱印を引き受けてくださった。この寺は伊豆88か所の札所にもなっている。その節はまたあらためて伺う旨を申し上げて辞した。円通寺は無住だが、子どもたち向けの塾があって、その先生がいるはずだから、本堂の拝観は出来るとのことだった。

 

元の道に戻って136号線(彫刻ライン)に出る。ここは松崎の中心街である。気が付けば日差しが強い。日傘がほしくなった。どこかにあるだろうと、先ずはセイジョーに入ってみた。しかし、ここには無く、次に「うすい」に入ったら、有難いことに入口にたくさん並んでいた。その中で銀のコーティングのものを買う。999円也。使ってみると先ず先ず。

 

さて、昼食は次の訪問を終えてからということにして、宮の前橋を渡り彫刻ラインをゆく。日傘が手に入ったのでのんびり歩ける。

 

先ず目に入ったのが「牛原山町民の森入口」の大きな看板だった。その裏が伊那上神社。縁起によれば、三島大明神、三島宮、または仲神社とも呼ばれていたらしい。先ほど那珂で西法寺に詣でる前に参拝した仲神社はこの系統なのだろう。創建は不明で、頼朝と縁がある神社らしい。どなたかが彫刻した数体の作品が印象に残った。

 

伊那上神社の参拝後、ナマコ壁の手前の細い道に入り、やがて山の手側へ広く拓けた畑中の道をゆくことになる。円通寺は立派な山門をくぐり、石段を上がって境内に入った。本堂は閉まっていたが、庫裏のほうの玄関で案内を請うと、塾の先生が顔を出して本堂のカギを解いてくれた。

 

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本堂に上って先ずは拝礼してから、奥に入って仏像に拝謁する。ここでも聖観音像を良く拝観出来なかった。素人には仏像の観察鑑賞は無理に思える。しかし、幸いに頼朝と文覚上人の像は拝観出来た。特に文覚上人の黒い坐像の精悍な顔と鋭い目つきが、頼朝に源氏再興を勧めたという史実を裏付けている気がした。

 

円通寺の山門を後にしてすぐ、「牛原山麓遊歩道」の袖看板が先ほどの遊歩道入り口の方を指し示していた。それから彫刻ラインの方角(西)へ直接向かう道を辿って間もなく、袖看板の「絹の道」が山側の方角を示していた。その向かいに立つ大きな看板に所要時間が書いてある。

 

文覚上人と頼朝の像は元は相生堂にあったということだが、そのお堂までの所要時間は10分となっている。ただちにこの道をゆくことにした。しかし、この大きな案内板は実は「絹の道」の案内ではなく、相生堂跡から浄泉寺や長八美術館を辿る観光コースだった。「絹の道」は標高236mの牛原山を越して、金沢地区に下りるハイキング道だったのに、深く考えもせずこの道に順ったがため、あとで苦しい時間を過ごすことになってしまったのである。(つづく)