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伊豆33観音巡り5の3 ― 2014/11/01
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続いて下田駅に戻り、駅前の第20番札所福泉寺を訪ねる。この寺は三角オムスビの下田富士を背にしてひっそりと遠慮気味な、存在感の薄い寺という印象があった。ところが、門前に立つ石柱の文字「日露談判下田最初の応接所跡」を見て驚いた。実はここも開国の歴史に絡んでいたのだ。
調べてみたら、福泉寺に於いて日露の和親条約締結交渉が行われたのだという。ただし、第一回目の交渉後の翌日、何と安政の大地震が発生して津波の被害に遭い、その後、場所を長楽寺に移して条約が締結されたということである。
福泉寺の境内に立ったときは、そんな歴史の舞台に上がったとはとても思えない瀟洒な寺の印象を持った。庫裏に案内を請うと、住職が顔を出しご朱印を引き受けてくれた。今回訪問した長楽寺、泰平寺そして福泉寺の3か所とも直筆のご朱印を頂き、誠に有難き幸せである。
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ガイドブックによると、ご本尊は千寿観世音菩薩。本堂に上がり拝観を許されたが、ご本尊はやはり、扉の中だった。御前にて瞑目して納経。
三か所の納経を済ませた後、今回最後に予定した第19番広台寺へと向かう。広台寺は蓮台寺にあって、下田駅からは約3キロを歩かねばならない。駅前の普論洞(ふろんと)で腹ごしらえして出発。
下田北高の前を通り、バス停蓮台寺の手前を北へ細い道を辿ると見つかった。しかし、運悪く本堂には大勢の僧侶が会して誦経中であった。これでは納経できない。日を改めて出直すことにした。
なお、バス通りに出る手前で休んでいた老婆に訊くと、今日10月28日は毎年行われる“かん○○○”の日で、今年亡くなった人の法要をこの地区のお坊さんが集って行う儀式ということだった。
町民文化祭 ― 2014/11/02
スズメバチの巣 ― 2014/11/03
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屋根の廂(ひさし)の下に入り込んで雨を避けることを、“軒下で雨宿り”または“軒下を借りて雨宿り”などと表現しますね。「廂」の下に入れば雨に濡れないで済みます。つまり「軒下で雨宿り」などと表現する場合、軒下は廂の下のことをいうわけです。
広辞苑を引いてみると、「軒」とは、①「廂」に同じ、②屋根の下端の、建物の外部に差し出したところ、とあります。
それでは、「軒下にハチが巣をつくった」というと場所が漠然としていて、さて、どの辺につくったのかな?と疑問に思うのは私だけでしょうかね。上のような意味からすると、廂と地面との間のどこか、ということで、巣をつくったということから、例えば、廂のすぐ裏側、建物の外側の梁の部分、戸袋などが想像されます。
さて、一昨日知人がハチの大きな巣を見つけたと言うので、一緒に散歩の帰りに立ち寄ってみることにしました。場所は「ふれあいの森」管理事務所です。管理事務所とトイレ棟が並んでいて、事務所の軒下のトイレ側だそうです。
軒下というので、廂の裏側?梁の部分?或いはもっと下の地面に近いところかな?などと、想像しながら、とにかくハチの巣など危険だから直ちに撤去すべし、人の集まる場所に放置しておくなんて許せない、などと二人で憤慨しながら現地にやって来ました。
実は、以前、このトイレを使ったときに、半壊した大きな蜂の巣がトイレの横に落ちていたのを私も見ていました。3週間くらい前のことです。ただ、誰の仕業かな?と思っただけで、廂の方まで確認しませんでした。今回は「ハチの巣あり 頭上注意」の張り紙が管理事務所の壁に貼ってあったので、廂を仰ぐと、その直下の梁の部分に大きなカゴのような巣があり、その横に崩れた根っこだけの古巣が残っていました。
新しい巣の方には数匹のハチが表面をウロウロしています。ちょっと見ている間に、一匹二匹とどこからかやってきて巣の表面に留まりました。この巣は地面から4~5mくらいの高さにあります。これだけ離れていたことから、特に被害を蒙るような危険性は感じませんでした。ネットで調べてみると、スズメバチを含めて大抵のハチは怒らせない限り、攻撃されることはないという。
私は以前ハチに二度も刺されたことがあります。一度は、南アルプスに入山した時でした。途中の無人の山小屋で休憩しようと戸を開けたら、戸袋から出て来たハチに片腕を刺されました。その時は黒っぽい長袖のシャツを着ていましたが、その上から刺されたのです。
それで、驚いて逃げたら、何と追いかけて来たではありませんか!慌てて、持っていたステッキを振り回したところ、スキを突かれ、きっちりともう一方の腕も刺されてしまいました。恐かったですね。とにかく、ほうほうの体でその場を逃れたのでした。
二度目は林道を歩いていた時でした。大型のトラックが通り過ぎた後に後頭部を刺されたのです。刺された場所には木の枝が鬱蒼と茂り、林道にまで枝が張り出していました。トラックがその枝を払いながら通過した直後に私が歩いたのが不運でした。多分、その鬱蒼とした枝の中にハチの巣があったのでしょう。
刺されたときの痛さは半端ではなかったですね。最初の時は特に酷いものでした。次の山小屋で一晩中呻っていたのですから。熱も出たと記憶しています。それでも、翌日は何とか縦走を続け、目標だった光岳に登頂。近くの小屋にもう一晩泊まって下山しました。当時はまだ50代で体の抵抗力が充分あった頃なのでしょう。
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私の体験でもお分かりのように、いずれの場合もハチを怒らせています。ハチにはハチの生活があり、その根城に危害が及べばハチは闘ってでも守ろうとするのは当然です。やはりこの問題も共存の原理を先ず第一に置いてから、一つ一つ検討を加えてどう処置するか、しないか判断すべきでしょうね。
当初、放置しておくなど、とんでもないと憤慨していた私も、この場所の現状を冷静に観察してみれば、人間サイドではギリギリ我慢できる(放置できる)状態ではないかと思います。トイレを利用するのに支障をきたすほどではないという判断です。ただし、ハチの巣を棒で突いたり、石を投げるなどしないことです。
「ハチの巣あり 頭上注意」の張り紙には、「ハチの巣を棒で突いたり、石を投げるなどしないこと」の文言を加えておいたらどうでしょう。こういう行為を冒したら、てき面に反撃を受けることを覚悟すべきでしょうから。
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