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千枚漬け2015/12/03

グアバの実
知人が京都へ旅行したと言って、お土産に千枚漬を届けてくれた。早速夕飯に食べたら、これが大変美味である。袋に印刷された原材料名の欄には聖護院かぶら、昆布、その他みりんなどの調味料の名前が幾つか載っていた。

「京都名産千枚漬 伝承の技で漬け込んだ大安の京つけものです」との触れ込みもさこそ、京都の味に舌鼓を打ったのだった。そして夜半に夢を見た。

場面は竹垣で囲まれた民家の前を通りかかる。その竹垣は細い竹の枝を束ねて横長に並べられ、ずっと先まで続いている。私はそこに立ち止まり、何かに取りつかれたように眺めていた。暫くすると女性の声が背後から聞こえてきた。「この竹垣は全体にボーっとして繊細に見えるでしょう。それをお屋敷の周りに取り入れたところが“京都の味”どす」

そうか、“京都の味は甘酸っぱい”のかと ”納得”しながら、私は一本一本の竹の枝を頭の中に刻み込もうとして、懸命に竹垣を見詰める。下から上まで、上から下までを何度も何度も見つめ直す。そして目が覚めた。京都の千枚漬が竹の垣根に替わった理由が今でもわからない。