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ひらなみの滝2015/12/16

”中瀬”から
稲取大川は伊豆稲取駅を南北に横切って流れ落ち、その先は成就寺前橋、新大川橋、大川橋、そして臨港橋の下を流れて稲取港に注いでいます。上流を辿ると、国道に架かる橋を経由して中川の橋を過ぎれば、間もなく“水滴(ミズタレ)”で菖蒲田からの洞川を併せます。

そして同時にこの地点が2級河川の始点となっています。何年か前に、この川を遡行した時、この合流地点の東側にその看板を見つけ、2級河川の指定はあっても随分短い部分だなと思ったものでした。

ところで、この水滴の辺りに「むじな田」という場所があり、そこを昔、ボーリングして温泉を探ったことがあった、という話を聞きました。入谷の「湯田の湯」とか、JAの前の「太田温泉」とかが営業を始めた前後の頃の話しです。

その結果は僅かな温みしか得られず、温泉の期待は外れました。その後、その温水が田圃のセギへと流れ込んでいるのを見つけ、そこで決まって手足を湯浴みする人もいたとか。

入谷の「温泉」については、北から「小沢(こさわ)」、「湯田の湯」、「うえんた」そしてこの「むじな田」の4か所と聞きましたが、ここではもう少し調べた上で記録しておこうと思います。

さて、この水滴に落ち込む洞川には、「平並の滝」という高さ3メートルくらいの滝があったそうです。大正12年生れの入谷の古老の話しによれば、彼の子どもの頃、この滝の脇に掘っ建て小屋があって、そこに体格の良い行者が住み付き、暇さえあれば滝壺に座り込んでお経を唱えていたそうな。

彼は時々、浜で一軒一軒托鉢してまわっては、また修行に専念し、結局、2,3年程して姿を消したということです。入谷の古老は、この“行者”が修行僧であったか、単に乞食であったかはわからないという。

また、この滝は山田大八郎町長の時代に堰堤工事が行われて姿を消したということです。