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サンショウの実は・・・2016/05/14

サンショウ
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ふれあいの森に上がる径に親子二人連れがいました。若いおとうさんが木の枝から何かを摘み取っています。子供さんは未だ小さいおじょうさん。

 

近寄って聞くと、サンショウの実を摘んでいるという。こんなところにサンショウの木があったかと、驚いてその低木を見直すと、確かに小さな葉っぱが羽状複葉にたくさん付いたサンショウの木です。ところどころに若芽も出ているというので足元を探すと、すぐに見つかりました。ああ、どこかで見たことがある・・・。

 

「採った実を日向に晒しておけば皮が黒くなるから、その皮を粉にすれば、あのサンショウですよ」“サンショウは小粒でもピリリと辛い” なるほど、このおとうさんはなかなかの博識です。
「パパはいろいろ調べて何でも知っているの」傍らから幼い声が私の耳に届きました。「枝を折って、さし木にすると育つんだって」おやおや、お嬢ちゃんにも教わってしまいました。小学校三年生だそうです。

 

このあと、親水広場で定例の器械体操をこなしてから、アセビの森でエビネを確認し、植樹記念碑の前を通ってトウゴクシソバタツナミソウに会いに行ったのですが、姿形は全くなし。標高300mはあるので、未だ早いのかも知れません。
帰りに、サンショウの実の撮影を忘れたことに気づき、もう一度あの径に立ち寄って少しだけ小枝を折ってきました。

 

坂道を下ってゆくと、上がってくるご婦人がいました。市民農園の様子を見に来て、これからふれあいの森へ上がるという。持っていた小枝を見せると直ちに、ああ、これはサンショウだと、おわかりでした。「この実はね、舌がしびれるほど辛いのよ。でも、葉っぱは適度に清涼感があって、つくだ煮にすると美味しいの」お宅の庭には5mもある大きなサンショウの木があるそうです。

 

サンショウの木の枝にトゲがあるとは知りませんでした。1センチもあるのもあれば、短いのもあります。帰宅して調べてみると、なるほどミカン科の植物でした。あの“すりこぎ”はこのサンショウの木を削ったものなんですね。

 

葉っぱを揉んでも匂がしませんが、あの木の周りでは確かにほんのわずかな香りに包まれていた気がします。でも、匂のないイヌザンショウというのもあるんだそうで、ここにも「イヌ」が出てきたかと、その意味を納得した次第です。
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