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音読教室2017/10/17

小学校の3年だったか、4年生だったかのときに授業で先生が本を読んでくださったことがありました。ヴィクトル・ユーゴーの「ジャンバルジャン」です。一度に全部ではなく、数回に分けて読み聞かせしてくれたこの授業時間が毎回楽しみでした。

このことがきっかけで直ちに本好きになったと言うつもりはありませんが、後年、国内外の特に小説を読み漁るようになった原点は確かにこの時にあったと言えるでしょう。息子や娘の教育に熱心でなかった私も時々読んであげたことを覚えています。

孫が生まれてからは自分で読んだ声を録音し、CDやDVDに保存して今でも手元にあります。でも、それを使用するチャンスを失い、いたずらに時を重ねて孫たちの成長に間に合わせることが出来なかったのが残念です。もっとも、再生して聞いてみると、何と悪声甚だしく、本の朗読はその道のプロならいざ知らず、素人がCDやDVDに焼くものではないと悟った次第です。保存などせずに生の声を読み聞かせるだけにとどめるべきでした。たとえ悪声でも、読み聞かせる側の熱意が聞く子どもたちに伝われば、それはそれで大きな意味を持ったはずです。

先日、奈良本の図書館で音読教室に参加してまいりました。はやくち言葉から始めて詩や絵本などを講師の主導で参加者が一斉に発音します。特に目立った声を出すのではなく、みんなが声を合わせることに重点を置いています。うまく読む必要はないのです。

講師は当図書館の内山淳子館長さんで、自ら音読教室を主宰する前に他の自治体の図書館を訪ねてその実際を視察したり、専門家の話を聞いたりして準備を重ねたということでした。音読は脳の活性化を促し、ひいては認知症の予防に繋がります。一時間があっという間に終わり、結構な疲れとともに充足感が得られました。要はみんなで楽しく音読に集中することが大切な時間なのでした。

2回目の今回は「話を伝える技術」を修行中の末満ひろみさんの講談「坂本竜馬」があり、その生き生きとした発声は参加した皆さんも感銘を受けていたようです。大変参考になりました。それに続いて末満さんを交えて館長さん以下、職員(?)の方、以上4名で紙芝居がありました。みなさんの読み聞かせもなかなかのものでした。最後に来場者全員で音読を体験してお開きとなりました。

この日は土曜日とあって小学生の参加もあり、親子ともども声を出して読む、そして伝えることに興味を持たれたことと思います。既に興味があった方は更にその技能の習得に意欲を持たれたかも知れません。私の場合は、鈍くなってきている頭の回転を少しでも戻せたら、或いはそれが不可能ならば鈍化の進行を少しでも抑えられたらと期待しています。