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カキの実2018/10/29

<これはカキではありません カラタチの実です>

だいぶ秋らしくなってまいりました。
散歩でひと回りすると橙色に実ったカキがあちらこちらで目立ちます。ここ稲取では里山でも人家の庭でも、目にするのは殆どが渋柿です。そして、いつまでも枝に鈴なりのままになっているのは、かなり小さなものです。主がいない家の庭の木ではなおさらです。

カキもミカンと同じように手入れをしないと、年々矮小化し、劣化するものと見えます。施肥や消毒などはともかく、摘果くらいのことをしておけばこんなにも見苦しくなることもないと思うのですが。干した渋柿のあの甘さは、甘ガキとは違った美味しさがあり、捨てがたいものです。

ところで、きょうは嬉しい便りをもらいました。東京三鷹に住んでいる姉から、もぎ取ったばかりのカキが届いたのです。こちらはジロウガキでしょうか。80も半ばになる姉の家では人手を借りないと、収穫が難しいだろうに、折角の得物をわざわざ送ってくれました。

カキといえばいつも思い出すのが子供の頃の思い出です。実家のお隣に立派に枝を張ったカキの木がありました。普段、特に手入れをした様子がないのに、毎年大きなカキがたくさん生りました。こちらはしもぶくれのカキでした。

実家と隣家との間に小さなドブ川が流れていて、これが隣家との境となっていました。カキの木はその境いっぱいに枝を張り、時に実家の敷地にまで張り出したこともありました。それを見越したわけではないでしょうが、いつの時からか、その境ぎりぎりにたい肥のベッドを父が作りました。そのおかげでベッドに乗って手を伸ばせば、張り出してきたカキの実に手が届いたのです。

隣家のオバサンと私たちの母とは良好関係にあり、互いに呼んだり呼ばれたりでいつもお香子をつまんではお茶をガブガブ飲んで世間話に興じていました。私たち子供の“悪ガキ”もそうした関係の上で大目に見てもらった理由のひとつかも知れません。嬉しい便りが懐かしい思い出を引っ張り出してくれました。