ヒナゲシの花 ― 2019/05/01
シャガ ― 2019/05/03
先日、隣人から鎌倉で撮ってきた写真を見せてもらった中に、シャガという花がありました。咄嗟に、ここから遠くないところにも咲いていたのを思い出し、隣人と一緒に今日歩いてまいりました。
英名はfringed iris。小さなアヤメの花弁の縁にヒラヒラを付けたようなところから付けたんでしょうかね。シャガは意外にも和名だそうで、ヒオウギという花の黒い実、即ち射干玉(ぬばたま)の「射干」の音読みであるシャガからとったというからややこしい話です。ヒオウギもシャガも同じアヤメ科の植物だから文句言えませんが。ちなみに、“ぬばたま”と入力して変換すれば「射干玉」になります。
ところで場所は稲取ゴルフ場と白田の第一配水池を結ぶ道の途中にあります。今回はアニマルキングダムを出発してゴルフ場まで上がり、南熱川別荘地の最上部から白田に下りました。暫く急坂を下ってゆくと、上から勢いよく流れ落ちてきている小沢が道の下を横切る場所に来ました。さあ、この辺です、シャガが群生しているのは。
そして、少し下って白い花が道の右側の山際に見えてきました。近寄ると紛れもなく、あのシャガです。私が尾瀬で初めて見て以来、忘れもしなかった美しいシャガです。その後、ご当地のこの場所で見たのが2度目だったのです。まさかこんな山奥で、と感激したものでした。あれから何度目になるだろうか?
シャガはアヤメ科なので日陰や湿地に群生します。この場所はその条件にぴったりです。それに、道の左側は谷状になって多分小沢の流れ道になっているのでしょう。その斜面にビッシリと見事な群落をなしていました。しかも下ってゆくと、道の山側はずっと先の方まで続いているではありませんか!このところ雨が続いていましたから、小沢からはぐれた水が道の両側を湿らせていました。まさにシャガ街道が出来上がりつつあるのです。
上を見ると、ミカン畑が現役のようです。収穫の手が入っていました。数人の姿が木の間越しに見えました。このシャガは自生したものと思うのですが、そもそもの始まりは人手を経たものかも知れません。突然、世に出たとは思われないですものね。
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先ずはゴルフ場から南熱川別荘地方面(白田)へ下ります。
こんな石積みの道です。
この先にさんざん探し回った”腰の神様”が!
あの日、あの時このみかん畑を突っ切って「大道庵石仏群」に辿り着いたのでした。
神様は健在でした。もっとも、開帳は今回は遠慮しましたが。
それから、シャガとは別の感激を胸に、さよならです。
波切不動 ― 2019/05/04
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久しぶりに志津摩まで足を伸ばしてきました。午後3時を少々過ぎて、山あいの方の雲行きが少し怪しくなっていました。晴れていた空が少しずつ雨雲に覆われ始め、雷様までゴロゴロしてきました。多少降られてもと覚悟を決めて雨具なしでスタート。結局、帰宅寸前に少し降られたのですが。
さて、きょうのテーマは山神社の大鳥居と、荒巻のハウスを取り巻く風景の写真をそれぞれ撮ってくること。今までに何度も訪れては撮影してきた写真は、実はバックアップディスクに放り込んであるため、しかも、かなりの枚数になっているため、探し出す手間が面倒で、ならば、また行って撮ってきたほうが手っとり早いというわけです。“ものぐさ”なのか、逆に“まめ”なのか、自分でも判断できなくなっている感じです。
まあ、それはとにかく、二つの課題をクリアしたあと、“あらまき”から志津摩へ下ったのですが、向田の懐かしい旧田圃(今は畑)の脇から踏切を渡ろうとしたら、新たなコンクリート舗装が下から踏切を渡って、山側に下田方面へと続いているではありませんか!
稲取2号踏切
もしやと思ったら、案の定、“上のお不動さん”の参道でした。チェーンストップに下がった札に、参拝者または関係者以外進入禁止、と書かれていました。嬉しいハプニングです。早速、久しぶりの参詣です。
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岩走る水を集めて
お堂の周りは樹々や雑草が綺麗に取り除かれ、多分、最初に設置された当時の様相が姿を現した感じです。特に背にしている岩がむき出しになって、お堂の雰囲気を盛り立てているかのようです。岩から流れ落ちて来る石清水を引いて、手水に垂らしていたことも初めて知りました。かにかくに偶然の恩恵に感謝し、板に彫った素朴な波切お不動様に向かって手を併せ、頭を垂れたのでした。
いつもの径で ― 2019/05/08
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黒根の坂を下り、下の赤坂いろは坂を上がる4~50分のコース。
先ずは東浦路の国道出口の所でタイワンリスが電線を走る姿を目撃!近くなのに逃げようともしない。カメラを構えても撮影に応じるようだ。お蔭で少しは鑑賞に堪える写真が撮れたかな?
稲高の歩道橋を渡ったら、草むらの中を覗いていたご婦人がそこを離れて坂を上り始めた。ウツギの白い花(卯の花)だった。追いついて声を掛けたら、今度は足元の先の草むらの中を指さして、この葉っぱを知ってますか、と聞かれた。近寄ってよくよく見ると、おお、それはあのサルトリイバラだった。稲取ではフクダンバラと呼んでいる。
茎のような枝にトゲがあるでしょうと言うと、枝を持ち上げて、ありましたわと言いながら薄いブルーのサングラスの奥で目が笑っている。そして、熊本の“だごじる”をご存知かと言う。知らないと答えると、団子汁のことで、小麦粉を練った団子と一緒に肉や野菜を入れて煮たものだそうで、結構、全国に知られているとのこと。
この団子をこの葉っぱでくるんで食べるのが熊本流だそうだ。稲取では団子をこの葉っぱに載せて供する習わしがあると聞いたことがある。他にも関西でもこの葉を使うらしい。サルトリイバラは全国区並みの人気のある植物なのだ。久しぶりにフクダンバラを思い出させてくれたこのご婦人の故郷が熊本と言うことだった。今日は墓地の上の知人を訪ねた帰りだった。
唐沢で別れてから、坂を下って黒根へ。磯まで下りようかなと考えたが、パスしてテングサ館まで来たら、その横の駐車場にテングサが10畳ほどの広さに干してあった。これも久しぶりだ。去年復活して2,3度こんな光景を見たことがある。まだまだ以前のようには戻っていない。寂しい限りだ。
最後に、天王さんの坂で知り合いのオバチャンがミカン畑の下草を刈っていた。繁殖力の強いよく見る野草だが名前は知らない。オバチャンは子供の頃に茎を剥いて口に含んだものだと言う、芯にズイのような柔らかいのがあったが、別に甘くもなんともない代物で、昔おなかを空かせていた時代のことで、口に含んで飢えを忘れたものとのお話は同時代を経験した私どもにも共感できることだった。
急いで回る黒根一周はいつものことだが、今日は感じが違う散歩だった。
百花繚乱 ― 2019/05/18
管理棟からクロスカントリーコースに入り、既に多くが実になっているキリの木を横目にやや下り坂を進んでゆくと、前方から青年が凄い勢いで走ってきて止まりました。そこは丁度ゴールの一つに出来るような、芝の地面からゴムの仕切りが少し浮き出ている場所です。暫く両ひざに手をつきながら屈んで息を整えていた彼は突然、顔を上げると元気よく「こんにちは」と挨拶してきました。稲取高校の生徒さんでしょう。前方でもう一人の青年も走ってきて、もう一つ手前の仕切りゴムのラインからUターンしてゆきました。稲取高校の陸上部の生徒さんはいつも礼儀ただしく挨拶をしてくれます。
さて、実はこの場所には道の両側に黄色の小さな花が咲いています。ミヤコグサと言う名前でしたっけ。エンドウ豆の花のような印象が私にはあります。先年、この花にこの場所で気が付いた時から、この名前に行き着くまで何回もこの場所に来てその形態を確かめたものでした。
大滑り台の上から稲取港や“おおみよ”の尾根を眺め、ふと後ろを振り返ると「小鳥のランドマーク」の下辺りにチガヤが咲いていました。子供の頃、野原へ野草取りに行って、口の中に入れ噛んで遊んだあのツバナです。別段甘いとも感じた記憶はありませんが。
続いて、展望テラスの手前の斜面にオオキンケイギク。この写真では大きさが良く分かりませんが、実際はかなり大きく、その分、美しさ倍増といった感じです。この花の名も類似の花がいろいろあって迷っていたところ、このブログで教えてもらった花です。それも理路整然とした説明に成程と充分納得できたのを覚えています。
その後、展望テラスで一息ついてから、左回りに“心臓破りの坂”を上ってクリーンセンターの手前でシャガが咲いているのを偶然見つけました。ここにもあったんですね!資材置きの建屋を過ぎた一画に小さな白い花に気付き、トキワツユクサかなと思いながら近づいたら、何とシャガではありませんか!葉ッパがスイセンのように細長いものですから、ツユクサのはずはありません。シャガは今月初めに白田で見て以来のことです。
次に、芝生の広場をまわってクロカンコースに出て稲取保育園の横を通り、ここのキリの木を確認しておきました。半月前に見た時より花は萎んで黒っぽい実をたくさん付けていました。
最後に、配水場の先から「ホテルジャパン稲取」の坂を下ってそのホテルの前に来ました。未だ若木のようでした。ところがどうでしょう、花はまだ2,3付け始めたばかりですが、蕾がたくさん付いた穂のようなものがニョキニョキと伸びています。若さを感じさせるように天を突いている恰好なのを、これほどたくさん見たのは初めてでした。とにかく全体にイキイキした木です。もう暫くで満開になることでしょう。忘れずに再訪したいと思っています。
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