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猫の気持ち ― 2020/12/23
******鈴木文雄(伊豆稲取はまべ荘)作******
稲取港と ”こらっしぇー”
第一回 猫の気持ち
私は鈴木家にお世話になってもう九年目になる雌猫で、名前は「ミイ」である。
冬の寒い日に商工会の駐車場に兄弟五匹で捨てられ、その後、ほかの兄弟たちは皆貰われて別れ別れになりました。そして器量が悪く不細工で左足を怪我していた私だけが残って寒空で震えて鳴いているところを旅館のご主人鈴木さんの孫娘に拾われ、旅館の隣で現在家族の一人としてお世話になっている黒猫が私です。
私はこの家に来て皆さんに可愛がられ、ほんとうに幸せな猫だと思います。宿の主人は八十二歳、奥さんはほんとうは猫が大嫌いだそうですが、今は私をミイミイと呼んでだいじにしてくれます。でも、お客様商売なので一度も宿に入れてもらったことがありません。それは私も心得ております。私が玄関前ですわっていると、いろいろな人達が毎日出入りします。
主人は昭和五十二年に船乗りをやめ、宿の仕事を奥さんと二人で始めてもう三十五年になるそうです。孫は女ばかり四人、一番下の娘さんが命の恩人なので一番好きです。私は猫なので口もきけませんが、人間の気持ちは仕草や態度で何となくわかります。猫が猫の友達が無く人間とのつきあいが好きだなんて、猫らしくない猫だと思います。
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