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栄昌院~入谷道~入谷口~2025/03/17

大川の橋の袂に咲いた濃いピンク色の花びらが少し散り始めていました。サクラの木を前にして暫く呼吸を整えます。華やかな枝の背後には最近雨の日が多くなったことを証明するかのように大川の小堰堤を越えて流れ落ちる水が白いシブキをあげていました。この場所に立つと、決まって思い出すのが、T先生のミズバショウの話。桃野湿原に町の事業の一つとしてミズバショウを植えこんで尾瀬のような場所を具現しようという期待が、ある年の台風によって敢え無くもつぶされてしまったこと。この湿原の北側に下った所に野鳥観察舎が今尚残るミニ公園とともに先年亡くなられたT先生の思い出は尽きない。 

一望閣を真下から見上げることが出来る細い急な坂を上がりきった場所は先に触れた変則十字路です。一望閣が営業していた当時は送迎バスがこの小峠を駐車場にしていたと聞きます。ここから一旦駅方面へ下ってすぐに右へ栄昌院方向に向かいます。この辺は大長坂で、その屋号のお宅のミカン畑が広がっています。ミカン畑の中でだいだい色のミカンを背景にポーズをとってくれた故N女史の笑顔が思い出されます。田代の台地に続く坂道の入口でこのミカン畑をもう一度振り返って暫し回想に耽ります。都会の生活からUターンして故郷の稲取に戻った幸せを彼女は話してくれました。 

  入谷道に出た所から田代の台地を振り返る コトリのランドマークも

〇さんのもう一つのミカン畑を右に、急坂を耐えて田代に上がりました。正面に栄昌院のモクレンと、手前にピンクの濃いサクラが迎えてくれました。そして左に回り込んで入谷道に出ると、この日は南に舵を切りました。間もなく第六分団の倉庫前を通過し、水下公民館の先の道を下って入谷口に到着。その後、バス通りを歩いて港に出、「こらっしぇ」のベンチで一休みして帰宅したのでした。 おわり