伊豆稲取便り

夕方、久しぶりに田の上に上がると、中川の畑にＯさんの姿がありました。彼にお会いするのも久しぶりです。きょうはもう既にほかの畑の用事を済ませ、ここではミカンに水遣りをして帰るところでした。

人間は体の動くうちは８０でも９０でも働かなきゃあね、と、Ｏさんは滅多に仕事を休むことはしない。腰は曲がっていても、働くことに不自由を感じないのです。Ｏさんの働く姿を見ると、ブラブラ散歩ばかりしている我が身が恥ずかしい。

ここのところ雨が少ない伊豆では日照りの影響をまともに受けるのが、秋一番に収穫出来る早生ミカンです。このミカンの実は皮が薄いため、日照りには敏感です。放っておくとすぐに皮が変色し、ミカンの熟成を妨げると言います。

水遣りと言っても単なる水遣りではなく、ある薬品を少し加えてミカンの実に散布すると、皮に厚みが出来て熟成を促し、出荷出来る立派なミカンが期待できるんだそうです。いずれにしても、農家に必要なのは適度な日照りと適度な雨。今年の日本列島の天候はどこもかしこも散々ですね。いや、日本だけでなく世界中がおかしいですね。