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おでっさま ― 2019/01/24
稲取名物“かかあでんかと寺八っつ”と、よく言われていますが、神社、祠も誇ってよいほど数えきれないくらいあります。浜地区の、稲取八幡神社、三島神社、素戔嗚神社、そして山の手地区では愛宕神社と山神社が各地区それぞれの産土神とされています。その他、山田の大家、大久保の大家、堰の沢の大家にはそれぞれ氏神様として権現様があります。
それから入谷に古くからある赤松神社や、浜地区では蛭子神社、竜宮神社(じゅうごんさま)、磯辺神社、石尊神社(せきとんさん)が二つ、若宮神社、さんごうさん、かんべ山の新明さん、吾妻権現神社、じゅうないさんの熊が沢権現神社、天神原の赤松さん等々。
ところで先日、ある人からさんごうさんの上に“おでっさま”という祠があったと聞いて、訪ねてみたくなりました。もっとも、5~60年も昔の子供の頃にその広場で遊んだというだけで、現在あるかどうかはわからないという話でした。
先ずは長い石段を上って“さんごうさん”に挨拶。参拝した後、更に上がって岬の稜線に出ました。やはり、岬の東の斜面は殆どが新興団地です。ちょうどオートバイで上がってきた年配の方に伺うと、「さんごうさん」のことは知っていても、“おでっさま”のことは聞いたことはあるが、それが何であるか、どこにあるかは全く分からない、という返事でした。“おでっさま”の昔と今をご存知の方はここにはいないようです。ちなみに、「さんごうさん」の祭日のときはお札を売って得たお金で、お菓子などを買ってお堂で楽しんだそうです。お札は版木で刷ったそうですから、なかなかやるじゃあありませんか。
帰りに八幡様の参道で老婆が店番をしていたので、立ち寄って聞いてみました。子供の頃に確かに遊んだことがあるが、あんな広場は今はないだろうし、それがどこか覚えていないと言う。でも、同じ名前の屋号の家があるとのこと。しかし残念ながら、そこの家は今は若い人だけで、由来や祠のことなど知る由もないということでした。
それから老婆が言うには、屋号「おでっさま」は「のーのーさま」とも一般に呼よばれていたそうです。それはこの家の方が仏様のようなよくできた方だったからと言うのです。昔、私どもでも母親が幼児に向かって、仏様のことを「のんのさん」と呼んでいたのを覚えています。「おでっさま」の語呂の感じが私には神様のような気がしておりましたが、あるいは仏様の祠だったのかも知れませんね。
いずれまた次回は西町をブラブラ歩いて、お年寄りの方にでも聞いてみようと思います。
コメント
_ tomo ― 2019/01/24 19:44
”おでっさま”は、お大師様=弘法大師のことだと思います。祠については知りませんが、その屋号の家は大畑地区に現存し、漢字では”お大師様”と書いて、地元では”おでっさま”と呼びます。のうのう様は、仰せの通り、仏様のことだと思います。子供のころ、仏壇をそう呼んでいましたし、正定寺の保育園に通っていた長男は、”のうの様に上げましょきれいなお花”と当時歌っておりました。
_ inada ― 2019/01/24 21:40
tomoさん、貴重なお話、いつも有難うございます。
”おでっさま”はお大師様が訛って使われた言葉、ということまで全く思いもよりませんでした。やっぱり祠は仏教関係だったのですね。
伊豆の「のうのうさま」が三浦で「のんのんさま」に変化しているのも面白いと思いました。
”おでっさま”はお大師様が訛って使われた言葉、ということまで全く思いもよりませんでした。やっぱり祠は仏教関係だったのですね。
伊豆の「のうのうさま」が三浦で「のんのんさま」に変化しているのも面白いと思いました。
_ 十 ― 2019/02/05 23:55
「おでっさま」は聞いたことがありませんが、稲取の家族や、城東の親族は、仏壇のことを「のうのうさん」「のうのうさま」と呼んでいました。
東町の正定寺の保育園に通っていた子達はtomoさんのおっしゃるように「ののさま」や「のうのさま」と短めの発音でよんでいたと思います。少しの違いではありますが面白いですよね。
東町の正定寺の保育園に通っていた子達はtomoさんのおっしゃるように「ののさま」や「のうのさま」と短めの発音でよんでいたと思います。少しの違いではありますが面白いですよね。
_ inada ― 2019/02/06 11:01
十さん、仏壇のことを入谷でも「のうのうさん」と呼んでいたのですね。私の実家(三浦半島の横須賀市)では幼児を前にして、仏様に向かって「のんのんさん」「のんのさん」と呼んでいました。どうやら、「のの」という言葉が神仏などを指す幼児語のようですね。
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