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白田川親水公園2021/06/03



ゴルフ場入口から浅間山の北側を廻って白田・片瀬へ下るのは久しぶりです。ところが、「オレンジヒルズ・イン」までこんなにも長い下りだったかと思うほど、今回は少し退屈な時間でした。暗い樹林帯の中に続く急な下りに嫌気がさしたのがその理由なのでしょうが、見どころが無かったのも影響しています。今年2回歩いた迂回路では3月にシャガを見ることが出来たし、先月は今でも名前のわからないランのようなきれいな野草などを見つけたことが頭にありました。

オレンジヒルズ・インから迂回路に入ると、様子は一変して沿道には民家や施設が目立ってきます。やがて赤川橋を渡って「水神前」、「コモク」のガケ崩れ跡や、その危険場所を通過し、白田川左岸を歩いて白田川親水公園に到着。先客のお年寄りが一人、東屋にいました。池の中のコイに餌をあげているようです。ひとこと挨拶だけして私はベンチに座りました。食事休憩です。


コンビニで買ってきたサンドイッチを頬ばりながら、この方の後ろ姿にチラッと目をやりました。グレーのシャツにグレーのズボン、そして黒い靴で”きめ”ています。すると、この公園でのこの光景をずっと前に見たことがあるような気がしてきました。パンくずをちぎっては投げているのです。集まっているコイやキンギョの群れに投げ与えては、その都度ジッと魚たちの様子を見てから、またちぎっては投げを繰り返している後ろ姿に私はだんだんと侘しさを感じ始めていました。
      池のコイたちはもうそれぞれに口を開けてエモノを要求しています。

そのうちに手元がなくなると彼は当方に顔を向けることもなくその場を離れ、木道を歩いて池の端で立ち止まり、もう一度泳いでいる魚の群れに目をやってから立ち去りました。この方の様子からすると、初めから終わりまでずっとご自分と魚との世界に入り込んで他からの関わりを一切拒否しているような、揺るぎない自信のようなものが感じられました。最初に、この方の背に”侘しさ”を私が感じたというのは、この方自身の問題ではなく、むしろ私自身の投影ではないのかとさえ思えたのでした。やはり、食事は後に回してこの方に先ず声をかけるのが順序だったと後悔しているところです。

                ハクセキレイも寄ってきました