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スモウ岩 その22011/03/09

その2 スモウ岩

スモウ岩の在処については実は食事前に確認してありました。国道に下りてから間もなく木工やさんの店先で年配の人から話を聞くことができたのです。

その話では、トンネルの手前で左に海岸への道に入り、海岸に出たところで左に展開する磯浜に目をやれば、そのスモウ岩を遠望することが出来るということでした。そう聞いて私が少しがっかりしたのは、断崖絶壁をロープか何かを伝って苦労して降りた先にようやく見つけることができるものと考えていたからです。

しかし、夜、月が出て、それがスモウ岩の穴に収まる光景は神秘的で神々しいものだ、と聞いて気を取り直しました。そして海岸に下りてゆきました。

二人が相撲を取っているような岩・・・。目をこらすと、はるか先に針のような穴の空いた岩が見えました。それは巌の上に乗って確かに体を寄せ合っています。期待を胸に飛び飛びに岩を選びながら近づいてゆきました。

見高浜の海岸


走り寄ることも出来ないもどかしさを感じながら、やっと近寄ってみると、何という奇岩か!でも、私の目には相撲取りの組んだ図ではなく、犬が接吻しているように見えます。折から、カラスが飛んできて一方の頭の上にとまりました。私を呼んでいるようです。


幸い、引き潮とあって、岩礁はほぼ繋がっています。付着した海苔の上に乗って滑らないように気を付けながら、ついにカラスが止まった岩頭に手を当てることができました。穴をとおして航行中の船を望むこともできました。ここで、月夜に次々と出てゆく漁船を想像してみます。
  
にぎたづに船乗りせんと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(額田の王)


さて、スモウ岩の雰囲気をじっくりと味わったあとは“たるがの”まで磯伝いに歩けないものか、気になって仕方ありません。干潮の今がチャンスです。歩を進めてゆくと、珍しい岩、奇岩が次々と現れ楽しくなってまいります。

<妙義山の石門のような窓を通過します>

<これは鬼の洗濯場?>

<小鳥の赤ちゃん>

<稲取岬が見えてきました>
それは、滝のように水が落ちてきている場所までつづきました。そこは、その向こう側に国道へ上がる地点があると思われた場所でした。向こう側に回るには2メートルくらいの壁を乗り越えなければなりません。


しかし、その壁は少しオーバーハング気味で確固とした手がかり足がかりがありません。ただ、その壁だけの問題ならば、わずかな手がかりで越えられなくもないのです。ところが、滝しぶきが今立っている足元の岩を濡らしています。それに、その岩から壁まで若干距離があるので、多少跳び移ることになります。

登るときは問題なくとも、もし、その壁の向こう側が歩行困難な場所と判明したとき、安全に戻れるかどうか心配です。つまり、クライムダウンした後、濡れた岩の上に後ろ向きに飛び降りなければならないのです。

ついに、土壇場に来て引き返すことにしました。次回、“たるがの”の降下点から降りてきて、この壁の向こう側がどうなっているか確認し、可能ならばリトライしてみようと決めました。悔しいけど、ここはいさぎよく撤退です。スモウ岩の探検はまた宿題を残しました。

その後、もいう一度スモウ岩に挨拶してから、小学校の立つ台地に上がり、田尻川を前の川橋まで遡行し、思いがけなくも沿道の桜並木を楽しんで帰宅しました。

<背景は天嶺山>

<田尻川>