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富士山がデッカイ!2022/12/23

さて、それから途中、初島や熱海の一部市街地を見て、漸く氷ケ池分岐に到着。ひと休みした後、丈を高くしたクマザサの中を泳ぐような恰好で登ってゆき、所々で足下の霜の結晶を踏みつぶしながら待望の山頂に跳び出した。山頂は想像していたのと違ってやや狭かった。しかし、なんと富士山がデカイ!こんなに大きな富士山は久しぶりだ。手前にひとかたまりの愛鷹山。そして右に箱根山。熱海市街地を通り抜けるとき目にした丹沢の山。あれは塔の岳か大山か? この山頂からも三角形の頭を出している。それから、富士山の左に南アルプスの白い山並み。左端の三角は北岳か?その右の大きな塊りは間の岳か? オオ、いずれも懐かしい山々!特に、南アルプスの白根の縦走は一歩間違えれば今のこの景観を目にすることはない苦しい体験だった。かにかくにこの山頂は特別に優れた展望台ではあるが、西の方の一部に笹丈が伸びて天城山方面が見えなかったのは残念。でも、大島、初島を上から見下ろせたのは収穫の一つだ。特に初島の様子がよくわかった。白壁のホテルが際立って見えた。

きのうはこの山頂も余程の風が吹きまくったに違いない。きょうは一転して穏やかな好天に恵まれた。名残惜しいが13時ちょうどで氷ケ池へと向かった。山頂からの下りは北北西の尾根を途中まで辿る。そして伊豆スカイラインに出てから、それを横断し路側を少し北にずれた所の降り口から下る。クマザサの間の狭い道は急な坂道で、所々にロープが張ってあった。途中Y氏から、「あれが氷ケ池だ」との呼びかけがあった。北に延びる伊豆スカイラインと氷ケ池が一望できる。足下から箱根方面に広がる雄大な景観! 下に降りて方向指示板に順い氷ケ池に到着。池の東の端から回り込んで池畔に立った。池の表面にゾル状の氷がそこかしこに出来ている。この時期でも夜間には氷が張るかも知れない。昔はこの池の氷を切り出ししていたそうだ。運搬のルートを探してみるのも面白い。文献が残っているかも。富士山が池を覗き込むように頭を出し、湖面の一部にも映っていたのは逆さ富士だ!。 

氷ケ池からのルート探しに戸惑うおそれがありそうなのはウェブを見てわかっていた。分岐から池経由で山頂に上がった方が分かりやすいということだった。氷ケ池からスカイラインに出たところで鳩首を寄せ、地図を広げて検討した結果、S氏が見つけたインターチェンジの出口から出てスカイラインに添って歩こうということになった。結果はそれが正解だった。間もなく短い洞穴のようなガードを潜ると細々とした山道が上に続いていた。そして展望台のような古い施設を過ぎてからいきなり急登が待ち構えていた。分岐まで本日最後の登りである。約20分ほどの苦しいシゴキにも似た登りが続いた。 

分岐に到着し互いの健闘を称え合ってからは、下り一方の道をただひたすらに歩く。途中、あの「才槌の洞」の橋梁まで来て、橋桁脇に車道(熱海新道)からこの山道に上がれそうなルートを見つけた。インターチェンジの出口に続いている熱海新道から逸れてガードを潜りシゴキを受けるより、そのまま熱海新道を追えば、分岐まで苦労することはなかった。老兵4人にはその方が良かったかも知れない。しかし、終わってしまえば老兵どもの体力は、“まだまだ若いものには負けん”ということだ。メデタシ、メデタシ! 

駐車場に帰着したのは分岐からちょうど1時間後だった。


才槌の頭め!2022/12/22

時刻は9時半。駐車場からいよいよ出発である。早くもA氏が先頭を切ってずんずん先を行く。ところが、彼の後ろ姿を見ると長身の故か、あたかも散歩しているかのように相変わらずゆっくりとしたリズムを保っている。S氏がその後を追って、私が3番目。しんがりがY氏で、これが上りの時の定位置で、下りはS氏とY氏が入れ替わる。S氏には膝にハンデがあるので下りが弱い。Y氏の場合は肺にハンデがあって、聞けば深い呼吸の連続は無理らしい。ただし、下りになると別人に変身する。鍛えた体力がものを言っている印象である。 

間もなく車道が切れて山道になると東側は灌木、そして西側が竹林となる。この竹はモウソウ竹のようだが、まだ若竹なのか幾分細くて節と節の間が短い。竹林から漏れて来る日の光で足もとは勿論、全体に明るく気分がどっと乗ってくる。そしてまた暫く行くと、灌木に入れ替わった。先頭の2名が後続を待っていた。私が追い付いたとき、S氏があれはモミの木では?と指さした。今年も間もなくクリスマスだ。4人合流して休憩後、暫く行った所に看板が立っていた。「緑の風は心の詩」とある。確かにこのハイキング道には「緑の風」がある。風が穏やかな今日でも。何はともあれ、ホッとする登山道なのだ。

途中、一人のハイカーが上って来た。でっぷりした体つきの65才前後のオジサン。かなりの汗をかいていた。それなりのスピードで上がってきたに違いない。東京から来て宿をとったという。わざわざ東京から来るほどだから、全国の低山歩きにはまっているのかも知れない。当方も、これからは低山歩きしかできないだろう。あと僅かな晩年をどう選択してゆくか、自分自身のことながら興味がある。 

「才槌の洞」と書かれた看板があった。昔この上に洞があり、その前の大石に才槌の頭が彫られていたことから、このホラのことをそう呼んだそうだ。「才槌」とは知らなかったが、調べてみると木槌のことらしい。「才槌の頭」というのは詰まり、オデコと後頭部が出っ張っている頭のこと。「才槌の頭め!」と言って相手をさげすむとき等に使われるようだ。「さいづち」と入力したら「才槌」と変換されたので驚いたほどこの言葉に私は無知だった。それこそ「才槌の頭め!」だった。

それはともかく、この辺りの登山道の下を車道が走っていた。それが熱海新道だった。今回訪れる予定の「氷ケ池」方面(伊豆スカイラインの玄岳IC)と、熱海市街地の南端(錦ヶ浦・熱海城付近)とを結ぶ路線である。そしてこの橋梁を通過すると、いよいよクマザサの道を行くことになる。この先、氷ケ池への分岐点が近いと感じられたころ、若い人が、やはり汗を額に光らせながら降りてきた。玄岳頂上から氷ケ池を周り、急な登りをクリアして分岐から降りてきたらしい。この若い人は仕事が休みの平日を利用して山歩きをしているとのこと。相模原市相模大野の人と聞いて、上鶴間出身のS氏の目が光った。暫く話が続いて別れたのだった。 つづく


伊豆の玄岳2022/12/20


              玄岳山頂より手前に愛鷹山と、富士山
函南町、伊豆の国市そして熱海市の3市町にまたがる玄岳という山があります。一度訪れてみたいと思っておりましたところ、山仲間3人の了解が得られまして本日行ってまいりました。

登山口の駐車場に車を留めてスタート。登り一方の登山道を歩いて2時間ほどで山頂に到着。下りは氷ケ池によって駐車場に戻りました。昼食休憩を入れて約6時間かかりました。かなりの急勾配にシゴカレタ山行でした。

先月訪れた巣雲山と同じく展望が優れた山で、山頂から見た富士山が大きく、雪をかぶった南アルプスも尾根を覗かせていました。


巣雲やまある記 22022/12/02

この広場からはほぼ北側に富士山をはじめ展望が開けます。ベンチやテーブルが幾つかあるので、大勢のグループでの休憩に都合がよい広場です。かつて大丸山山頂までは倒木やイバラの道でしたが、あれから11年の間に歩き易い道に変わりました。 宇佐美地区のNPOの働きに拍手を送りたいと思います。 

富士見展望広場から間もなくちょっとした高まりの山道上に三角点(四等)がありました。二度目にしては思いもかけない所にあったという印象です。あのときは巣雲山から下山の途中、大丸山に見参しなければ後々まで悔いが残るという思いで寄り道したのでした。ところが、現在の不遇な場所で出逢ってみると、いささか拍子抜けした感じです。 

大丸山を通過して次は巣雲山です。一旦、伊豆スカイライン側へ降りてから、大きな絵マップの看板を確認して山頂を目指します。このスカイラインの手前で北側に分岐する踏み跡に入りかけましたが、すぐに戻りスカイライン目指して下って正解でした。11年前に巣雲山からの下山の途中、どの方角から大丸山に登ったか未だに思い起こすことが出来ない、つまり、私の頭に巣雲山と大丸山の位置づけが出来ていなかったのに起因しています。それともう一つ。スカイラインに接触するのはこの山行きでは一ヶ所だけで、その接触点から5,6分で山頂に登れるという頭がありました。それが実際には二カ所あったのです。 

スカイラインに出てからは先ほどの絵マップと同じものを、今度は念入りに見て出発です。第2のスカイラインを確認するまでがアップダウンを繰り返す苦しい行程でした。約30分近くかかりました。その後はやはりわずか5,6分で待望の巣雲山の広場に到着です。午後12時半でした。トップのĪI氏がそのまま展望台のラセン階段を上がって行きます。セカンドのS氏、そして殿から私が後を追いました。展望台に上ると、四方に景観が広がりますが、この時刻には陽も柔らかくなり、遠景は雲に覆われて残念ながら富士山も姿を隠していました。

 

下山は分岐点まで戻って峰コースに入りました。途中、間もなく平家の落ち武者が生き仏となって埋められたお墓の前を通過。峰コースは山間を下る細い道、寂しい道、沢沿いの道が延々とつづきます。ここに来てやっと山歩きの雰囲気を取り戻した感じです。丹沢や奥多摩の山を思い出しました。「行者の滝」は見上げるほどの落ち口から僅かな水が糸のように流れ落ちているのが分かりました。秋の長雨、初夏の梅雨の時など水量は豊富に見られるのでしょうが、滝水が多ければ、これにつづく沢道が心配です。

                     行者の滝

その後、小沢に丸木を並べて渡した小橋を渡る道と、沢の右岸沿いの道とに分かれる所に出ました。ここで思案六法。結局、小橋を渡って正解でしたが、この分岐点には方向指示標の設置が望ましいと思います。登り方向にはともかく、下りに特に必要ですね。

その後は、沢沿いの美しいヒノキ林を抜けて別荘分譲地に到着。そして竹林を過ぎれば、宇佐美の市街地は間もなくです。



巣雲山ある記2022/12/01

伊東市宇佐美の西の外れ近くに巣雲山という580.7mの低山があります。この山の魅力は四方の景色を楽しめるところにあります。ウェブサイトで検索してみると、殆どのハイカーがJR宇佐美駅をスタート・ゴールにしていました。山頂からの眺望が抜群なのに加え、スタートしてから間もなく振り返ると宇佐美港や市街、そして沖行く船が見えて来ます。特に「ミカンの花咲く丘」コースを行けば、所々にベンチが置かれ、景観が目の前に開けます。あの唱歌「みかんの花咲く丘」の歌詞がここで作られたことでも納得できます。 

この山は2011年3月に訪れたときは駅から西側の峰コースを歩き、下山は阿原田コースをとっています。今回は阿原田コースから左回りで歩いてみました。途中まで両コースの真ん中の道をゆき、分岐点で阿原田コースに入るという計画です。阿原田コースに入ってから山道の雰囲気が濃くなってきて、左に色づいたミカン畑を見たり皇帝ダリアの群落を見たりして緩い坂を上がって行きます。ところどころでウルシの木の紅葉が一段と晩秋の雰囲気を盛り上げてくれます。そして、スタートしてから小1時間でドッコイ処に到着。看板の絵マップなどを見ていたら、スクーターが上がってきました。

先ほど、宇佐美駅前を通過した時、数人のハイカーと思しき人たちがタムロして出発の準備しているのを目撃しました。いずれ後から追ってくるかもと思っていましたが、先ずはスクーターのオジサンが登場したというわけです。彼はスクーターを降りて我々の質問の矢を次々と受けることになります。ところが、横浜の戸塚から来たと聞いて驚きました。車ならともかく、スクーターでご苦労様!しかも私と同い年の82才だというからまたまた驚きです。ヘルメットを外した素顔は壮年そのもの。今年は今回で3度目のスクモ山だと聞けば余程お気に入りの山なのでしょう。この方には別れてから暫くで、また会った時は歩いてスクモ山を往復すると言って先に出発してゆきました。それからもう一人、暫くすると、今度は若い人がジョギングで上がってきました。宇佐美駅の裏手の自宅から走って来たそうで、山岳のトレイルランということになるのかな? スーパーに勤務し、周二日の休みを使って毎週走るとのことでした。走る後ろ姿をみると、確かにしっかりした走りっぷりです。何らかのレースで走る常連さんかもしれない。 

大丸山の手前の富士見展望台が近づいてくると、イロハモミジやススキを前景にした宇佐美港を見ることが出来ます。そして間もなくその展望広場に到着です。