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河津の谷津地区探索2011/10/21

南禅寺
伊豆急の電車に乗って河津駅から下田へ向かうと、間もなく湯けむりが立つ山間の集落の風景を目にすることが出来ます。地図には谷津川に沿って車道がかなり奥まで続いています。きのう、思い立ってこの道を歩いてみました。

河津駅を降りて先ず館橋を渡り、谷津川橋の手前で左折し谷津地区へ入ります。この辺は住居がたてこんでいます。道なりに進んだら、旅館「離れ家石田家」で行き止まりになりました。

少し戻り、あらためて西方向への道をたどると石碑が並んで立っていましたが、お地蔵様2体と板状の石碑の文字はいずれも風化して読み取れませんでした。でも、石碑の存在でこの道が谷津の山奥へ向かう本道だろうと想像できます。

沿道には立派な邸宅が少なくありません。キョロキョロ眺めながら行くと、「六石」と書かれた門の中庭の奥に左右を幾つかの大きな石で挟んだ家が目に留まりました。全体に静かな落ち着いた佇まいで、茶処のような風情があります。

橋を渡って川の左岸を行くようになると、民家も少なくなってきます。道端で何やら洗い物をしているオバサンがいたので、ちょっと覗いてみました。

「ギンナンは木から落としたばかりだと皮が付いてるから、それを落としてるの」ゴム手袋をはめた手で根気よく掴み洗いしています。近くのイチョウの木から収穫してきたらしい。

南禅寺の場所を訊くと、5分くらい行った先に看板があるからすぐ分かると言います。このお寺はお堂だけで、住職は昔からいないそうです。でも、仏像がたくさんあって、それが県の文化財に指定されているとのこと。

「仏像は別のお堂に移される予定なので、今ちょうど工事が入ってるから気を付けてね」と云うオバサンにバイバイして、「源泉岩盤浴の宿 薬師の湯」の前を通ります。裏手ですごい湯けむりが立っています。今回は女房殿と「踊り子温泉」で落ち合うことになっているので、ここは別の機会に入浴してみましょう。


この先で目の前が開けると同時に特急踊り子号が颯爽と姿を現し、下田方面へ姿を消しました。それから暫く歩き、「南禅寺へ」の看板が立っているところから急坂を上ってゆきます。道はコンクリート舗装され、左側の部分は石段があります。

参道の途中、ランタナが綺麗に咲きそろい、それを背にして石碑が3体立っていましたが、風化して文字は読み取れませんでした。

3回ジグザグを繰り返し、ようやくお堂が右手上に現れました。前方では機械が入って工事が進行中でした。石段を上がって参詣します。拝観料300円を格子窓から投げ入れ、扉のボタンを押すと中の照明がつきました。

明かりはついても小窓が小さすぎるため充分な拝観はできませんでしたが、それでも、木像の表面加工されたのを中心に木肌のままのも含めて、これほどまでの仏像がこんな場所に、と思わせるほど圧巻でした。

傍らの高札によると、薬師如来坐像、地蔵菩薩立像、十一面観音立像など十一躯が静岡県の、他の十三躯が河津町の指定文化財になっています。奈良時代の創建で、江戸時代に再建されたとのこと。創建当初はかなりな規模の大寺だったようです。仏像はいずれも平安時代のものと記されていました。

南禅寺を訪れて、谷津地区が河津の中心地から離れた場所にあっても、大昔から集落を形成していた優れた場所だったことを思わせるに充分な印象を得ました。帰り道で仰ぎ見た城山と片瀬山の雄姿がそれを保証しているようにも思えたのでした。時代が異なっても、あそこに城があって、そして彼の地に南禅寺があるのだと。(明日につづく)

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