唐沢の秋葉さま ― 2012/01/29
唐沢の住宅地の奥に小さな祠があると聞いて散歩がてら探してきました。お菓子屋さんカルフールの前を通り、黒根へ下りる坂を右に分けてそのまま進んだ左の二つ目の細い道に入ります。
緩やかに上がって100メートル位のところで、軽トラがミカンハウスの前に止まりました。車を降りた年配の方に場所を訊きます。ついでに由来等の話が聞けたのはラッキーでした。この祠は遠州の秋葉神社を根源とする火防や火伏の神さまを祀ったものだそうです。
唐沢地区はホテルジャパンの真下にある緩斜面で、昔の東浦路に沿った場所です。場所としては悪くないのに、開拓されたのは随分と遅すぎた印象があります。この方の話では約100年前にこの土地が開かれたものの、水利の便が悪く、火事に難儀したことから秋葉さまを信仰の対象にしたものだということでした。
祠を勧進した家では子孫は既にこの地から離れ、現在ではこの地区の数軒の家でお守りしているということでした。毎年10月15日を祭日とし、皆が集まって祠の周りを清掃してから飲み食いするのだそうです。
祠は最奥の民家の間を通った林の中にありました。大きくて立派な鳥居が入口に立っています。そして更に落ち葉を踏んで少なからず登った先に小さな石祠が鎮座していました。でも、コンクリートの立派な礎石の上に乗っていることから、大事に守られている様子が窺えました。周りは葉を落とした灌木が多く、明るい感じです。
鳥居の前に舗装された道が山の上の方に続いていたので、これを追ってみました。すると、目の上に石を集めた石塁が左右に並んで現れ、何かと思ったら、山から流れてくる水を通すためのもので、これがずっと上まで距離を置いて続いています。
舗装された道はここで終わりましたが、実はこの道は蓋付きの水利溝だったのでした。これが下から民家の間を今歩いてきた細い道の正体だったのです。そこで、この先がどうなっているか、林の中を更に登ってみます。でも、ついに藪が邪魔をして戦意消失。散歩の足では無理で、それなりの足固めが必要でもありました。
しかし、この溝の部分は小さな沢のようでもあります。しかも水のない涸沢なのです。雨季など大雨が降ったりしたときにだけ水が流れてくるようなものです。
唐沢という地名はひょっとしたら、この涸れた沢に由来するのかなと考えながら山をおりました。唐沢には秋葉の神さまが必要だったのです。
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