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ミカン畑で2010/07/05

紫君子蘭
<今年も決まった場所に紫君子蘭が咲きました>

「こんなに広い土地じゃあ、一日では終わらないでしょう?」
「もう、向こう半分は終わってるんだよ」

「それにしても、この暑いなか大変ですね、生垣の剪定作業は。この木はマキですよね?」
「イヌマキだね」

「稲取ではどこの家でもマキの生垣ですね」
「風に強いから」

「この中は何ですか?」
「ミカンだよ。あれが甘夏で、ホラこれが早生だ。粒が小さくなっているだろ?」

「早生だと年2回収穫できるんですか?」
「ミカンは一年に一回しか収穫できないんだ」

「二期作じゃなくて一毛作ということか。それじゃ、土に栄養を与えなくても?」
「そんなことはない。毎年、カヤを地面に敷いているよ」

「そういえば、細野高原でカヤを刈っている人が肥料にすると言ってました」
「ウチは車がないから、細野へは取りに行かないけどね」

「おひとりで管理してるんですか?」
「他に手がないからね。息子は勤めてるから、そうそう当てにできないよ」

「こんなに広いミカン畑をひとりじゃ大変ですね」
「今は、ミカンは高く引き取ってくれないから、仕方ないよ」

「お宅はこの畑の隣ですか?」
「いや、田町の公民館の近くだよ」

「ああ、それじゃあ、“わこう”さんをご存知ですね」
「ああ、知ってるどころか、‘隣組’だよ」

「私の連れ合いが“わこう”さんの世話で、コーラス仲間に入れてもらったんですよ」
「そりゃあ、良かった。土地のものと気心を合わせるのはいいことだよ。“わこう”さんは世話好きな人だからね」

「おかげで喜んでます。それじゃあ、暑いなか、無理しないで」
「ああ、あんたもな」