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かやの実 ― 2010/07/08
“かやの木山のかやの実は いつかこぼれて ひろわれて”
ご存知、北原白秋作詞、山田耕筰作曲の叙情曲です。高校の音楽の時間に習いました。声域がごく狭くても歌えるので私の大好きな歌のひとつです。
“山家のお婆さは囲炉裏端 粗朶たき柴たき燈りつけ”
好きな理由のもうひとつは、私の実家が草葺屋根の家で囲炉裏もあったことです。もっとも私たちの頃は床が畳敷き、天井は板が張られて自在カギを垂らす構造にはなっていませんでした。ですから、囲炉裏を囲んでという雰囲気はなかったのですが、土間があったこともあり、この詩の情緒を充分に味わえる環境にはあったと言えます。
“かやの実かやの実 それはぜた 今夜も晴れだろう もう寝ようよ”
ところで、稲取の榧の寺、済廣寺でかやの実を見つけました。ブドウを二周りくらい大きくした感じで、ひとつの枝にいくつか集まって房状のものもあれば、鈴なりのものもあります。この実の種を炒って食べるから、“それはぜた”なのでしょう。
済廣寺の榧の木は樹齢七百年を越す老木だそうです。でも、かなりの大木で枝張りもいきいきとしています。このかやの実がこれからどんな風に熟してゆくか、見守ってゆきたいと思います。
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