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ひらなみ2010/07/10

”わが谷は緑なりき”


権現線遊歩道から、今は廃業しているホテル一望閣へ上がり、山田の大家の谷間を通ってエコセンターへ出る道は国道135号線を山の手へ迂回する道ともなっています。28年前は車が通れない細い山道だった話を、今日の散歩で聞くことができました。

山田の大家から急坂を登りきったところは、稲取岬や爪木崎を見渡すことができるビューポイントです。ここで一休みしたあと一旦下り、また上りが始まるところに“いなとり保育園農園”があります。畑提供者は山田の“西隠居”と書かれています。

その先隣のハウス栽培地で枝落としをしている人がいました。私と同年齢(69歳)くらいの方です。仕事の手を休めてお話ししていただきました。実は、28年前と言うのはこの方がここにハウス栽培を始めた年なのです。

当時、オイルショックで日本経済は混乱の真っ只中で、職工だった彼はこれを契機に農業従事者になったと言います。その当時はこの道が細い農道だったといいますから、車が使えず、いろいろご苦労があったことでしょう。

この辺りの地名を尋ねたところ、“ひらなみ”と言っておられました。また、子どもの頃、“おしゃまんま”と聞いた覚えがあるとも。興味深い名前ですね。それから、“二つ掘り”から山神社への急坂を“長坂”と呼んでいるとのことでした。

きょうは木陰に入ると、風が涼しく感じられます。ちょうど枝を払っていた木は熱川桜でその隣が河津桜だと伺いました。熱川桜は河津桜より色が薄いそうです。いずれも、ハウスを建てたときに植えたということでした。

ついでにハウスの中はカーネーションだとか。今月末に行われる館山での品評会に出品するのだそうです。奥様と二人だけのお仕事だそうで、この年でなお活躍する機会があるというのは本当に羨ましいことです。


「壬生の庄」の前の花の道