散歩道開拓 つづき ― 2010/07/20
ここは風が通って涼しい場所です。道を背にして見高の里山が見渡せます。声をかけると、62,3の人なつこそうなオバサンが笑顔をみせました。奥深い山の雰囲気のなかで、たった一人のお仕事です。
小さな黒いビニールの鉢(ポットと言うのだそうですね)に土を入れ、苗を植え込んでいるのです。何の苗かは聞いたのですが忘れてしまいました。花の苗です。これは出荷用のものでした。富士山の裾野の何とかというところに卸しセンターがあるとか。
立ち木があって日を遮り、風の通り道にもなっているので、夏は涼を求めてここで仕事するのだそうです。快適です。私もつい座り込んでしまいました。
他にもミカン畑が5,6箇所あって、休む暇もないとのこと。ご主人は病気療養中でも今では長男が仕事を受け継いでくれており、嫁さんもようやく手を貸してくれるようになったと言います。
「好きなように散歩して悠々自適の生活だね」と言われましたが、私のように一日ブラブラしているより、オバサンのように、朝、目覚めたときからあれこれ仕事の算段をし、大自然の中で一日を過ごすのが本当の意味の悠々自適なのではないかと考えます。
先日は東京墨田区の孫の祖父母会へ行ってきた、と嬉しそうに話してくれました。折角だから、ゆっくりしてくれば良いのに、その会に出ただけでどこへも行かずに帰ってきたとのこと。でも、家族や仕事などの、そうした今の環境に満足している表情が顔に現れていました。
ここはやはり河津町見高だそうで、見高神社の三番叟をこの秋心待ちにしている、と言いましたら、お宅にも山王神社があるとのことでした。個人の神社だそうで、京都の本社にいつか詣でるのを楽しみにしている幸せなオバサンでした。
オバサンに教えられた通りに来た道を少し戻って橋を渡り、ハウスの下から沢に沿って下ってゆくと徳造丸工場の近くに出ました。あとは踏み切りを渡って志津摩海岸遊歩道に出ると、強い日差しの中、帰途につきました。
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