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ミカンの貯蔵庫2010/12/07

ミカンの貯蔵庫


水下、入谷のミカン畑の中にちょっとした“離れ”のような家が目につきます。特に山神社から見高へ抜ける農免道路沿いに点々としています。実はこれがミカンの貯蔵庫だと知ったのは、そんなに前のことではありません。

この貯蔵庫は昭和30年代にミカン産業が盛んだった頃、公けの援助を得て建てられたと聞きます。なかには今でも立派な“家”があって、最初見たときは人が住んでいるのではないかと思ったくらいです。人の気配がなくても、農家のお宅は日中は野良に出ている時間が多いでしょうから。

そんな立派な“家”のひとつが井の際の“貯蔵屋敷”です。志津摩の田圃辺りから見上げると、山の中腹に堂々と建っているのが目につきます。嬉しいことに、この家の中を覗く機会がありました。

この家の前を私は前日も通ったほどよく歩いています。でも、持ち主にお会いしたことはありませんでした。それがこの日はたまたま家の脇でご主人が作業しておられたのです。

家の中はすべて板敷きで、縦に長い一部屋があって、そこには収穫したミカンのカゴが並んでいました。そしてその部屋に二つの部屋が接している間取になっており、底の浅い箱のようなものがぎっしりと天井高く積まれていました。貯蔵室になっているわけです。

ご主人は現在7種類のミカンを栽培しており、その種類によって貯蔵する期間が違うのだそうです。なかでも、ポンカンは酸性が強いため、酸抜きをしたあと4,5日置いてから出荷するという話が記憶に残りました。

話の途中で分かったのですが、この方には “清水ッ川の湧水”を探していたころに一度お会いしたことがあったのです。まったく迂闊で失礼したことでした。こんな私にわざわざ忙しい作業を中止して案内、説明をしてくれました。ほんとうに頭が下がります。

ミカンの貯蔵庫