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子どもたちが田圃をつくった ― 2010/12/17
林を切り開いて田圃を作り、稲を育てて1年後に収穫した話がNHK静岡テレビで紹介されていました。NPOが世話役で、担い手は一般募集した9組の親子、30名。
サポーターの一人、無農薬栽培の農家の方の基本的な考えが印象に残りました。稲にはいろいろな害虫が発生するが、無農薬であれば益虫も寄ってきて、バランスも取れる。収穫の量は多少減っても、良質の米が獲れるというのです。
更に、無害の虫や生物が寄ってくるのが田圃であり、その環境によって生態系のバランスが維持されて、生物の多様化が戻ってくるというわけです。ですから、害虫も益虫も、ただの虫も差別をしたくないと言うのです。
収入を上げるために収穫を増やす。化学肥料を使って収穫を上げなければ今の農業は成立しない、というのが当たり前のようになっています。しかし、収穫量は減っても、化学肥料は使わないで良質の米を生産する農家が、自立できるような仕組みや制度があれば問題はないのです。
そんな途を長い年月をかけて模索してきて、未だ先が見えていないのが実情です。赤字を補填するのに農家戸別保障政策をとるという場当たり的なことではなく、根本的な対策はないものでしょうか。それも自由貿易に対処できるような。
農産物には戸別保障をするという考えがあっても、漁業にはあまりないような気がするし、そのほかの製品には先ず殆どないというのが、どこかおかしな気がしないでもありません。
戸別保障が税金でなされるということを考えると、公平性の問題はどうなのか、つまりそういった基本的な哲学が必要なのでは?「農は国の基本」まで疑いたくないのですが。

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