お祭りの準備 ― 2011/07/11
夏祭りが近づいてきて、早くも稲取の港では殆どの漁船が陸揚げされ、先週の金曜日からもう漁に出てないように見えます。
水下の私の散歩コースではお祭りで神輿が通るからと、垣根の枝葉を剪定したり、高く伸びた樹の枝を切ったり、みなさん忙しく立ち働いています。
田町地区でも、スサノオ神社周辺の草取りや清掃も地域の人たちが分担してあたることになっているようです。
今朝は東田の上で小さな笹竹を切っている人がいました。50センチばかりの長さのもので、他に椿の枝を添えて門前に飾るのだそうです。
さあ、13日には“ねり”やバカバヤシも始まります。去年はこども三番叟のすべてを見届けました。今年はバカバヤシをじっくり見させてもらいましょう。
”・・・雨に西施がねぶの花” ― 2011/07/12
バカバヤシ ― 2011/07/13
稲取では今日からお祭りが始まりました。嚆矢を受け持つのは西町で、本日午後三島神社から御くだりがありました。明日は東町、明後日が田町で、水下入谷地区が殿(しんがり)です。
神輿に先だってバカバヤシが朝から方々で演じられたようです。午後になって女房殿がバカバヤシを見に行くのだと、一人で出てゆきました。あとで訊いてみると、ホテルやまだ荘のフロントルームで演じられたのを見てきたとのことです。
内容はこうです。
オカメにヒョットコが求愛の行動をとります。二人の間にもう一人のヒョットコが現れて同じように求愛します。二人のヒョットコがオカメの気を引こうとそれぞれ努力します。結局、後から求愛した方が選ばれて結婚し、赤ちゃんが生まれてハッピーエンド。
明後日、私どもの近くでこのショーが予定されていますので、私はそのときに撮影しておきたいと思っています。バカバヤシには三つの物語があるらしいので、そのうちのどんな物語か楽しみです。
再びバカバヤシ ― 2011/07/15
バカバヤシ踊りは灼熱の太陽をもろに受けて、全部で26分間の熱演でした。観客からも、さぞ暑いことでしょうという同情の声が聞かれました。私が見たのは屋号「畳石」前の路上でした。
さて、最初の出し物はおととい紹介した、嫁取りと赤ちゃんの誕生物語りでした。二人の男性から求愛された女性は選んだ男の背中におぶさることで、その意志を表します。すると赤ちゃんが生まれ、ふたりが慈愛を注ぐところで終わりとなりました。
二番目はムチを持ったリーダーを先頭に、鍬で土をおこす者、水を撒く者、種まきをする者、それに麦踏みをする者の5人が踊ったあと、地面に輪になって座り込みます。
次いで、車座の中に縄の輪を作り、一人をその中に入れて体を弄びます。多分、リーダーがムチを持っているところを見ると、農作業をサボったものが懲らしめられているのでしょう。
その後、酒盛りが始まり、みんな気持ちよく酔っているところにお狐様が現れてお祓いをします。そして全員が馬になってお狐様を乗せて終りです。このお狐様との関係がどういうストーリなのか未だわかりません。でも、撮影してきた動画を何回か見れば、そのうち理解できるかもしれません。
最後の出し物は4人の左官屋がナマコ壁を塗るお話。ここにもリーダーがいて、壁を塗る人、そしてそれぞれが鍬とヘラを持った二人が一所懸命仕事して休憩します。そこに別の二人の悪ガキが現れて小便をかけてしまいます。
それを知った鍬とヘラ持ちが、やってられないとばかりサボタージュします。それをリーダーと壁塗りが何とかなだめてナマコ壁を仕上げます。その後、また現れた悪がきを捕まえて謝らせるというお話。
明治の30年ごろに稲取に導入されたというこのバカバヤシが、若手に引き継がれて連綿と100年以上もつづいてきたことは驚きです。今では稲取の立派な文化の一つになっていると言って良いでしょう。
バカ面の踊りが軽快な笛と太鼓の音に乗って進められてゆき、オカメとヒョットコの軽妙洒脱な踊りとともに単純なストーリーに情趣を添えます。見ていて飽きない踊りでした。なお下記で動画をご覧ください。
天王さんのお山入り ― 2011/07/16
稲取のお祭り4日目、天王さんへのお山入りの日を迎えました。去年のお山入りはずっと追っかけをして仔細まで見届けたのでした。東町の担ぎ手があの140もの急な階段を、手拭いを輪にして互いに繋がりあいながら神輿を担ぎあげました。かくも連帯意識を誇示するものかと感動したものです。
今年は去年や一昨年のようにお祭りにどっぷりと浸かることはなく、バカバヤシを見届けるだけにしましたので、お祭り全体のムードがどのくらいの盛り上がりを見せたかはわかりません。
ただ、天王坂へ上がる手前で神輿は例年もみ合うはずなのに、今年は派手さがなくすんなりとお山入りしたのには少々期待外れの感がしました。
何はともあれ、明日の入谷・水下地区の祭礼をもって稲取のお祭りは終わります。5日間にわたる長いお祭りなのです。
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