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「星が導く旅のはてに」2012/05/14

「星が導く旅のはてに」スーザン・フレチャー 作 冨永星 訳 徳間書店

新約聖書の中の「マタイによる福音書」と「「ルカによる福音書」にはイエス・キリストの誕生についての話しが記されています。そして、その誕生にからんで賢人(マギ)がベツレヘムに旅した記録が「マタイによる福音書」に載っていることから、著者はペルシャを舞台にして王家の血筋を持つ少女とその弟を独自に登場させて壮大なロマンを書き上げました。

弟は他人の現在や未来を夢で見ることが出来る超能力を持っています。本書はこの姉弟と三人のマギとのベツレヘムへの旅の物語です。言うまでもなく、ベツレヘムはイエス・キリストが誕生した町ですが、弟の夢による予言と賢者が駆使する占星術とで、彼らはベツレヘムに辿り着きます。

広大な砂漠を行く旅は厳しいものでした。その中で、主人公の少女が誇り高い女から慈悲を理解する人間性豊かな女に成長してゆくところが感動を呼びます。