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”アマガエル”2012/05/30


稲取岬の立野の台地で、ある年配の方に砲台のあった場所を訊ねたとき、戦時中の関連した話しとして、向井に大きな洞穴を幾つか掘った跡があると教えてもらいました。今日はその一つが成就寺の裏にあると聞いて見て参りました。
 


成就寺の坂道は度々歩いているというのに、全く気が付かなかったのは迂闊でした。歩いていれば直ぐ気が付くような場所にあったのです。お寺の敷地にちょっとだけ無断でお邪魔して中を覗いてみました。
 


穴は縦横1mくらいの大きさで、中腰でなら入れそうです。入口は板で半ば覆われて「立ち入り禁止」の札が付いていました。中は奥がどこまで通じているかは勿論見通すことは出来ません。こんな洞穴がこの山のガケに点々とあったと聞きました。

壕



この壕は戦時中、海軍の駐屯部隊が成就寺を根城にしていた際に、“アマガエル”を保管しておくために掘った穴だそうで、アマガエルとはベニヤで出来た自爆用の簡単な舟だったということです。船体が迷彩色に塗られていたから、そう呼ばれていたらしい。

 
ネットで調べたら、このアマガエルは四式肉薄攻撃艇のことで陸軍が管轄していた由。海軍は別に「震洋」という舟が開発され、双方とも大戦末期に特攻艇として実戦で使われたそうです。
 


ウイキペディアに載っている表によると、下田と稲取に第140震洋隊の基地があったとされています。立野に陸軍、向井に海軍の基地があって、稲取も大変な時代を経験したのですね。