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シイの古木 ― 2012/05/28
稲取入谷の古老から聞いた、奥入谷に新天地を求めて移住した方のお話は当ブログ5月16日付で紹介しましたが、昨日その場所を訪ねてみました。
アニマルキングダムまでバスで行き、ゴルフ場の縁に沿って“中の平”へ向かいます。“ロウクチ”の池への入り口を見送ると道は鋭角に左に曲がり、間もなく竹林がつづく道になります。そして竹林が尽きた十字路を左に下りて行くと、民家が見えて参りました。
ちょうど、この家の若夫婦(?)と思われる方が車でお出かけの支度をしているところにお邪魔したようです。お急ぎのようでしたので、単刀直入に伺いました。
新天地をこの場所に決めたとして立てたというシイの木の杖は、入り口に鬱蒼と茂った木に成り代わっていました。近づくと、幹の大木は中が空洞になっており、そこからたくさんの枝が派生して勢いがあり、樹冠は青々と地を覆っています。
直接お伺いしませんでしたが、確か、現当主が20数代目ということですから、ざっと今から700~800年前の古木です。しかし、樹幹は朽ちたりと云えども、この枝張りの勢いはどうですか!実に見事です。
周りにも高木が林立していて、これらもやはりシイの木だそうです。当の古木よりずっと背が高く、若々しい感じです。秋になると、家の周りはドングリだらけになると、ご当主と思われる方が笑っていました。
家の前の広い耕作地は2,3の人に一部貸している以外は殆どが休耕地となっていました。ここが昔菖蒲田だったのであり、横を流れるロウクチの堰堤から流れてくる沢が菖蒲沢と言うのでしょう。この沢が送電線鉄塔稲取1号の脇を流れ、平波へ回り込んで水垂で大川に合流するわけです。
入谷の奥に開かれた歴史の舞台は“中の平”だけでなく、ここ菖蒲田にもあったことを実感しました。
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