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ダイコンの芽2013/09/25

弥七どんは腰が多少曲がっていますが、すこぶる元気で今日もミカン畑の草取りです。二日前に蒔いたダイコンの種がもう芽を出しているよと、ミカン畑の隣の畑地を案内してくれました。 


草取りの前に水遣りをしたらしく、畝が湿っています。見ると、1センチくらいの芽がいかにもコンニチハといって世の中に出て来たばかりのように陽の光に輝いていました。弥七どんは写真を撮るなら、もう二三日してからのほうがいいよ、と目を細めています。


彼はその脇の涸沢に架かる小さな橋まで行って、コンクリートの上に腰を下ろすと話し始めました。この辺は「上田の上」。昔はある大地主の所有する山林で、その方が亡くなってから以後、いつの頃か町が譲り受け、開拓を条件に分譲したのだそうです。弥七どんの曾祖父の時代でした。
 


その後、この山林はミカン畑として開拓され、地権者の六軒の仲間が集まって、この畑地に水道が引かれました。水生の庄の下の谷に水源があると聞きましたから、多分、洞川の水源なのでしょう。この水は今も飲料OKの水質を維持しているとのこと。いつ頃行われたか聞き忘れましたが、下田の保健所の検査をパスしているらしい。
 


ところで、この橋の下の涸沢は昔は雨が降ると、上からゴーゴーと水が出て大暴れしたそうです。それがあるときから水が来なくなったと言います。前に“やっさか”のご主人も同じようなことを言っていました。私は、上のクリーンセンターの工事か、その下のグラウンドの工事の際に熊の沢の方に水の流れがスイッチされたのではないかと思っています。
 


いつの間にか空が曇って雨粒が落ちてきました。台風20号が今接近中なので、日が差したり雨が落ちてきたり不安定なお天気です。弥七どんは立ち上がりました。彼はバイクに跨るや颯爽と坂を下ってゆきました。