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天神原に梅林を2014/04/16

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バス通りにある「喫茶食堂ヤシ」の脇から、細い道をたどってミヤ美容室経由で更に上がった台地はいわゆる“天神原”というのだと思うのですが、グーグルの地図で「清水」と書かれている場所は吉祥寺、善応院、そして清光院が背にしている台地です。

 

その“背”には南北に松の木が並び、「清水」地区の防風林の役目をしているように見えます。そして去年の暮にここを訪れた時も、松の木に沿って南北に細長く畑がずっと続いていました。

 

その畑が驚いたことに忽然となくなり、整地されて雑草が一面に生い茂っているではありませんか!レンゲ色のピンクが柔らく目に飛び込んできたので、近づいてみるとホトケノザの群落でした。黄色いカタバミも咲いています。美しい風景です。

 

この暮にここの畑に手を入れているオジサンの姿を、最後に見てから4か月近くが経ちました。あのとき彼の顔色が悪かったのを思い出します。ふと、このあいだ役場前で見たツリガネズイセンが生き生きと咲いているのに気が付きました。思わずしゃがみこんで写真を撮っていると、年配の方が通りかかりました。

 

この方の話しでは、あのオジサンが体調を崩したらしく一部だけを残して畑を更地に戻したということでした。なんでも、この土地はT家の所有で、今は生存しているその家の唯一人の女性が横浜に住み、この地には殆んど顔を見せないという。

 

土地は荒れるに任せるよりは、耕作してもらった方がよいだろうということで、あのオジサンにこの土地を貸したのだそうで、しかも無償だということでした。私はオジサンと何度か話をかわしていますが、彼は誰にでも好かれる心根の優しい人でしたから、どういう経緯があったかは別にして、充分納得できる話でした。

 

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実は、この土地の一画に梅ノ木が数本あります。年配の方の話では、戦時中の食糧難のときに先代が梅の実を目当てに植えたものだということでした。それなら、この土地を梅林にしたらどうでしょうか。

 

今、世間はサクラにのみ目が向いているように見えます。確かに、サクラには充分楽しませてもらった余韻が未だ残っています。しかし、サクランボが穫れるサクラではありません。紅梅、白梅が咲き、しかも実が穫れる梅の木を植えれば一挙両得というものです。

 

この近くには町が埋蔵文化財に指定している天神原遺跡があり、向井の「上の山」遺跡と同じような環境に在ります。このまま荒地にしておくのは如何にももったいない話です。お花見が出来、しかも実が生る梅林を誕生させたらどうですか!

 

どうも人のフンドシで相撲をとるような話をしている気がしないでもないですが、こうした耕作放棄地、遊閑地を放っておくことはないでしょう。どなたか、オーナーや町との間に立って話を進めてゆくNPOでも立ち上げてくれませんかね。