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ゴマダラチョウ2012/09/07


ゴマダラチョウ?


伊豆のチョウやトンボに異変が起きているというショッキングな記事が今朝の伊豆新聞に載っていましたね。日本固有種ではないアカボシゴマダラという中国系のチョウが伊豆に分布を広げているというのです。
 


そのせいか、今朝は畑や空き地に舞うチョウを気にしながら中川の畑から吉久保に上がったところで、ある畑の一角に同じようなのを見つけました。2頭のチョウがニラの花から花へと飛び回っていました。
 


新聞の記事によると、アカボシゴマダラには後翅の下部に赤い斑紋がついているそうです。でも、こちらのは赤くないようです。帰宅して写真を見ても赤い部分は識別できません。在来種のゴマダラチョウでしょうか?
 


アカボシゴマダラは繁殖力が強いらしく、要注意外来生物に指定されているとのこと。最近は蝶に限らず、植物や動物など広範囲にわたって外来の生物が増えてきているようです。中には、外国からペットとして持ち込んだものが野生化したものもあると聞きます。

 

最大の問題は外来種が入ってきて生態系に影響を与えることです。一部の浅はかな、心ない人の行為が豊かな自然の環境を変えてしまうというのは悲しいことです。


「向三十目」2012/09/08

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字(あざな)で“向”の漢字がついた場所は稲取では「向」、「向田」、「向山」などがあります。地図で調べると、「向」はあの“むかい”の海岸から“上の山”のほうへ急な坂や石段を上り詰めた辺りとなっています。(坂の途中に赤く塗られた決して小さくない祠が、海ではなく南を向いて立っているのが印象的でした)

この「向」は役場や天神原方面、そして稲取漁港全体が見わたせる展望の良いところです。この地図が正しいとすると、“むかい”の海岸はここを基準としているのでしょうか。面白いのは“むかい”の表現が向井や向イとされることです。地元の人たちの発音も“い”にアクセントを置いています。

一方、「向田」や「向山」は志津摩方面にあって、「向山」は志津摩のはずれ、見高を含めたその中間付近を言います。民宿向山があるところですね。この山から切り出された築城石が、“おふね石”あたりに築かれた簡単な堤防から船で江戸に送られたと聞いています。

「向田」は伊豆急の線路を挟んで海岸に面しており、今でも稲田が現役です。今日は久しぶりにこの田圃のオーナーとお会いしました。稲は順調に育って、このままでゆくと10月の半ば頃には稲刈りが出来そうとのことでした。

ところで、東伊豆町埋蔵文化財包蔵地の一覧表に向三十目遺跡というのがあります。畑地から縄文土器や石斧・石鏃などが出土したそうです。さて、この「向三十目」とはどこの場所を言うのでしょうか?

向田の田圃のオーナーはたまたま別の話しの中で、セメント工場がある志津摩橋の上に“さじめ(三十目)”というところがあると話していました。水下の最後の民家を過ぎて、志津摩川を渡る辺りを言うそうです。昔、タバコ三十匁くらいの安い価格でこの土地が手に入ったからだ、と以前聞いたことがあると言います。

そんな笑い話のようなことが事実だとすれば、「向三十目」は「向」の“さじめ”で、「向」の台地周辺を言うのではないかとも考えられます。さあ、「向」か、それとも、志津摩橋の上の“さじめ”か。「向三十目」は私は「向」の方にあるのではないかと思うのですが。

映画「わが母の記」2012/09/09

下田市民文化会館で「わが母の記」が上映されました。井上靖の原作は3年前に東伊豆町の図書館から借りて読んだことがあり、映画ではどんなものだろうかと、本日見てまいりました。
http://taakesan.asablo.jp/blog/2009/08/17/4521255

映画ではやはり一人一人の出演者がそれぞれの持ち味を出して観るものを惹きつけていました。映画は監督の思い描く世界を出演者がそれぞれの個性でもって描いてゆく映像としての作品です。原作の読者が味わった作品のイメージとは異なっているのは当然のことです。

主人公が5歳の年から8年間、父母から離れ、“土蔵のおばあちゃん”に育てられたというわだかまりが、老耄の母との生活のなかで氷解してゆくところは原作にも映画にも共通する最も感動を呼ぶテーマです。でも、この映画はそれをクライマックスに持ってきて観る人を泣かせます。

原作は老耄、即ち老いて認知症になる実際を肉親の愛情をもって克明に鋭く見つめた点が印象的でしたが、この映画は出演者のそれぞれの個性が原作とはちょっと違った感動を呼ぶドラマに仕立て上げていると感じました。

樹木希林が相変わらずの味を出してましたね。役所広司と宮崎あおいも。笑わせて泣かせてくれました。

向田の田圃2012/09/11

パンパスグラス
この土曜日に志津摩の田圃のオーナーから聞いた稲のお話です。

現在、稲の育ちは5分から6分程度でしょうか。一週間前の日曜日に見高高原温泉の前の道を河津方面に下ったとき、左手に小さな棚田があって稲穂が豊かだったのと比べると少し生育が遅いように見てとれました。志津摩向田のほうは田植がずいぶんと遅かったので、さこそと思われました。

ところで、向田では「あさひのゆめ」という品種を過去10年にわたって栽培してきたのを来年からは静岡県指定の品種に切り替えるとのこと。新品種に切り替えた場合は自然の災害に対して補助が出るらしい。

今年は今のところ台風などの影響は稲については免れました。でも、他の作物は塩害など少なからずあったようです。農業の成果は大自然の気分しだいで左右されますので、毎年、その心配は絶えません。ですから、県からの補助は頼みの綱でしょう。

「あさひのゆめ」は縞葉枯病抵抗性に強いため、薬剤を使わないで済みましたが、今後はその点はどうなのでしょうか?風により倒されることがない丈夫な、そして病気にも強い稲が開発されたのでしたら、もう云うことはないでしょうけど。

それでも、向田のおじいさんは言いました。「来年はまた一から出直しだ。稲との対話だね」
詰り、稲と相談しながらその都度対応策を考えていかねばならないと云うのです。「“あさひのゆめ”を10年来育ててきて、何事も目いっぱい欲張ってはならないことを学んだよ」

彼の目は先を見つめています。あと10年は現役でいられそうです。その間に、多年にわたって培った知恵を私たち外部の者を含めて多くの人に引き継いでいって欲しいものです。

稲取木遣り節2012/09/12

東伊豆町文化協会発行の「ふるさとのならわし」に稲取の木遣り節の唄文句が載っています。稲取では各区によって文言に多少の違いがあり、それぞれ丁寧に紹介されています。

ここに挙げるのは田町の唄文句です。また、たまたまこの木遣り節を唄ったテープを最近手に入れ、ご家族のお許しをいただいてデジタル化してみました。この唄は同窓会の余興として昭和63年に録音したものだそうです。味わいのある木遣り節をとくとお聞きください。