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伊豆横道33観音巡り④2014/06/21

田子海岸
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浜橋に戻った時には12時を過ぎていた。食事できる店を探しながら国道136号線を北上してゆくと、バス停「大浜」の少し先に「喜久屋食堂」が見つかった。この辺には役場や郵便局、保健センター、信用金庫などがあり、仁科の中心地のようだ。

 

ここでかき揚げ蕎麦を注文したら、ワカメがたくさんの付け出しとポテトサラダが付いてきた。かき揚げ蕎麦だけではちょっと物足りない気がしていたので嬉しいサービスだった。

 

時間を見計らってゆっくりと食事を済ませ、大浜からバスに乗る。仁科漁港から海岸線の変化に富んだ景色を楽しみ、堂ヶ島温泉に到着。ここは昔子どもたちと共に家族で一度来たことがある。更にその先の田子入口からバスは国道と別れて左に海岸へと下ってゆく。

 

田子の集落に入って大田子を過ぎ、坂を上って国道に再び合流すると田子上でバスは終点。ここまで車窓風景は初めてのことでもあり、充分に楽しめた。バスを降りてまた国道から分かれ、少し上がると墓地が広がって、直ぐにそれと分かる円成寺の上手に出た。

 

山門?
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墓地の入り口には大木が2本、山門のように聳えてその奥に六地蔵が並んでいた。左の大木はビャクシンだろうか、各枝の先端が天に向いている。そしてこれはまた見事な取り合わせ、その枝にブーゲンビレアの赤い花びらが燃えよとばかりに絡みついていた。

 

その“山門”をくぐって六地蔵の前に立つ。左手から参道の石段が上がって来ており、その正面に厳殿山円成寺の本堂があった。庫裏に案内を請うと、若いお上人が現れて本堂への参拝を許された。

 

円成寺
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本堂には立派な仏像が左右に置かれ、また、正面裏にも安置されていたが、どれがご本尊の聖観音であるかは分らなかった。一般に仏像の撮影は拒否されることが多く、お上人が御朱印のために奥へ引き込まれた間に秘かに撮影したという負い目があって、ついに聞きそびれてしまった。

 

今こうして撮った写真を見て、ご本尊らしき仏像とは思っても、これが祭壇の中央にあったものではないので確信できない。こんなことなら、撮影はやめて直接お聞きすれば良かったと悔やんでも後の祭りである。

 

ただ、寺のコメント付きの古仏があったので、ここに記しておこうと思う。像高60センチ余りの一木でできた不動明王立像で、破損が激しく両腕もないが、腰の線が流麗で平安時代後期の作とされていた。貴重な文化財である。

 

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この円成寺で御朱印帳なるものを初めて購入した。先の長福寺で予定していたのだが、この33観音霊場巡りでは円成寺が最北にあるため、ここにだけ用意してあるということだった。

 

参拝を済ませて石段を降り参道をそのまま下ると、大田子、田子の集落が眼下に広がる。途中、廃校になった建物に隣接した四辻に観光案内板があり、西伊豆歩道として「今山コース」と「燈明ヶ崎コース」そして「堂ヶ島コース」の3本があり、更にその先、伊豆市と沼津市の大瀬崎から堂ヶ島まで、合計10コースの遊歩道があると分った。いずれもいつか歩いてみたい。。

 

さて、海岸線に出ると、平行して建てられた堤防の切れ目から島々が浮かぶ駿河湾が開けた。砂浜で若いカップルが長い竿を海に向けている。平和な光景である。田子漁港の海岸道路が西へずっと続いており、ここも一度歩いてみたいところだが、いつかまたその機会があることだろう。

円成寺下から見た大田子の集落