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ある人生― 不思議な人物2024/10/01

彼が数人の従業員を抱えて会社を経営するようになったある日、事務員の奥さんが小児ガンを患ったその子供を連れて横浜の病院へ行った時のこと。暫くの間、入院した子供に付き添うため近くのアパートを借りて病院に通うことになった。そこで、かねてから着付けの勉強をしたいと考えていた彼女が本屋でその関係の本を探していた時、ある女の先生がたまたまその本屋の前を通りかかった。すると、その先生は「この中に私を必要としている人がいる」と言って立ち寄った。

            桟道橋の上、長坂から稲取駅方面

事務員から委細、話を聞いた中で勤め先の会社が街角の小さな会社で、そこそこに仕事はあるが忙しく繁栄している会社ではないと聞いて、「神様の上を人が歩いている会社では仕事が忙しいわけはない」と先生がキッパリと言った。事務員はこれは大変なことを聞いたと、急遽、稲取に戻って事務所でその話を直接、彼に伝えたのだった。彼は事務員の話を聞きながら、地上一階地下一階の建物は地上一階が事務所で、地下一階の倉庫に神様の祠が置いてあるのを今更のように思い浮かべた。それにしても、この事務所に一度も来たこともない”先生“が地下一階に祠があることを言い当てたことに身の毛がよだつほど驚いた。確かに、神様の上を歩き廻っていたではないか!そこで早速、神様の祠を地上一階に移動したのだった。 

ところが、子供の許へ横浜に戻った事務員が”先生“から聞いた話がまた驚きだった。神様を動かすにはそれ相当の作法がある。それをしなかったから”先生“の体調が狂い気分が悪くなった、というのだ。”先生“がそれを詳しく話してあげるから横浜へ来るようにと彼への伝言だった。それを聞いて仕事で工事中のため、一旦は彼の妻に行ってもらうことにしたのだが、こんな機会は二度とないと、自分で行くことにした。 

“先生”は霊感を持つ数少ない人の一人だった。先生は先ず「霊力を持っている人はお金が絡むと見えなくなる。霊感が利かなくなる」と言ってから、神様を移動する時の具体的な作法を彼に伝えた。それからいきなり、次男が使っていた4畳半の部屋の壁にかかっている絵は外しなさいと言った。絵そのものは悪くないが、描いた人が良くない。その人は麻薬をやっている。それと、折り紙の“角隠し”は折った人が既に亡くなっているから外した方が良い。庭にある二つの石の小さい方は良いが、大きい方は呪いが掛かっているから撤去。シャクナゲの木も外しなさい。呉れた人は女のヒモだから。そして、竹筒と小池の組み合わせの“シシ落し”などは命取りになるから直ぐにでも庭から外すこと。植木屋さんにみんな持って行ってもらえば一度で済むことだと教えてくれた。それにしてもこの霊感力には震え上がってしまったと彼は述懐したのだった。


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