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「伊豆の観音像」2011/12/09

上原近代美術館
伊豆の仏像の企画展が上原仏教美術館で開催されており、この11日(日曜日)でいよいよ終了ということなので本日訪ねてまいりました。

例によって稲梓駅で下車して、落合、箕作の田園風景をゆっくり味わいながら40分ほど歩いて到着です。今日の下田は風も穏やかでした。

今回の企画は観音菩薩像に焦点を当てて、伊豆の各地から出展を仰いだ仏像15点が対象です。会場では数人の熱心なグループが仏像の一つ一つにそれぞれの意見をぶつけあっていました。いま、仏像は特に若い女性たちの間で静かなブームになっているとか。

15点のうち5点が県や市の重要文化財で、そのほかにも60年に一度しか開帳されない秘仏があり、それらを直に目にすることが出来たことと、たまたま専属(と思われます)の方の説明を聞くことが出来て有益でした。

仏像を芸術品として鑑賞できるのはこういう場所でその機会があったればこそです。それぞれがそれぞれのお寺に帰れば、ご本尊として信仰の対象になる恐れ多い仏像です。その落差を感じながら、館員の方の説明を受けました。

出品作の中で特に親近感を持ったのは、南禅寺の聖観音菩薩立像、十一面観音菩薩立像と林際寺の聖観音菩薩立像でした。実は先月、この二つのお寺を偶然にも訪ねていたのです。

各地の神社仏閣を訪ねて直ぐその場でご本尊様を拝観できるかというと、先ず殆どが無理ですね。ましてや何年かに一度の御開帳というところでは尚更です。それに研究者でもジャーナリストでもない一般の人には敷居は高いものです。ですから、こういう企画展は私どもには大変有難い機会だということです。

館員の方の説明によると、南禅寺の聖観音菩薩立像はご神木を使って彫り上げられた平安時代の仏像だそうで、神仏習合がこういう形で具現化されていることに感銘を受けました。

その他にも興味ある説明がありました。例えば、江戸時代の作の如意輪観音坐像(下田の泰平寺)などは背中に「日本橋通り」という記述があり、伊豆石などを江戸に運んだ帰りに、その利益で買い求めたものであるというのです。地元の仏師の手になる安物ではなく、江戸の高価な仏像が手に入ったのは伊豆の特産物のおかげだというわけです。

この上原仏教美術館は二年ぶりの訪問でしたが、そんなわけで日頃縁の薄い仏像への理解と興味が得られた訪問でした。

ハンター2011/12/11

イノシシ

食事処「山海料理ハンター」は、入谷の山神社の前を過ぎて更に細野高原方面へ上がって間もなくの所にあります。ここの駐車場で数人の鉄砲撃ちが出発準備しているのに出くわしました。 

これから風車の丘の白田側をやるとのことです。ラッキーなことに、「山海料理ハンター」の庭に獲ったばかりのイノシシがいると聞いて覗いてみました。

庭へ下りて直ぐ左手に屋根だけの作業小屋があり、そこに二頭のイノシシが吊り下がっていました。既に二頭とも腹を縦に割られて赤い肉が覗いています。ご主人に訊くと、それぞれ4,50キロあるそうです。

仕留めた獲物は山中で腹を割いて臓物を取り除いたということです。ただし、捕えてすぐに処置する理由を聞いておけばよかったと後悔しています。体重を軽くして車まで運ぶためかな?重い獲物を担いで道なき山中を歩くのは大変ですからね。

ご主人が、バーベキューが出来る建物の中を案内してくれました。シカの頭や立派な角が並んでいます。中でも写真のイノシシは体重が110キロもあったそうです。ここで酒を酌み交わしながら猟の話しを聞くのもいいですな。もちろん、宴会場や食事は別棟のお座敷が用意されています。


ところで、ご主人の話しによると、最近はハンターの数が少なくなり。しかも高齢化しているそうで、これは何とかしなければならないということでした。資格試験は“罠(わな)”は簡単だが、銃の資格は非常に厳しいと言います。

今は狩猟を生業にする人はごく限られた一部でしかないとすると、希望者はスポーツや趣味が目的ということになります。特に狩猟は山野を駆け巡らなければなりませんから、今時の若い人たちに多くを期待するのは無理なのでは?

しかし、いま全国的にシカやイノシシが適正数を越えて、様々な問題が出てきています。駆除が焦眉の急ではあっても、ハンターの数が揃わない現状ではなかなか先が見えません。

元はと言えば、人間が環境を破壊してきたのが最大の原因で、シカやイノシシに責任があるわけではありませんが、事ここまで来ていれば、何か手立てを考えなければいけませんね。難しい問題ですけれども。




ヒヨドリジョウゴ2011/12/12

ヒヨドリジョウゴ
長坂の急坂で見つけた小さな赤い実が実に見事だったので、ずっと調べていたらヒヨドリジョウゴではないかと絞れてきました。ツル性の植物で背の高い石垣に垂れていました。

他に似たような実で、マルバノホロシやヤマホロシというのがあるそうですが、葉が3裂しているのがあったので、ヒヨドリジョウゴの可能性が高いと思われます。

いずれもナス科の植物だそうで、夏にナスの形に似た小さな白い花を付けるそうです。淡い紫色だったら、マルバノホロシかヤマホロシらしいのですが、来夏まで覚えているのは難しいですね。多分忘れてしまっているでしょう。

不法操業2011/12/14

ツルソバ
古来、日本が中国や朝鮮の文化に大きく影響を受けて国を形造ってきたことは周知の事実です。そして両国を結果的に苦しめてしまったことは現代史のおぞましい事実でもあります。その反省の上に立って両国と正常な友好関係を築いてゆくことが今の日本政府の基本的な立場であり、それはまた私たちの異存のないところです。

さて、その観点から不法操業していた中国漁船の暴力行為によって韓国警察官が殉死した事件を取り上げてみたいと思います。

この事件に対して中国の最初の反応では報道官から謝罪の表示がなかったことが韓国人の怒りを買っています。当然ですが、日増しにそのデモが激しさを増しているようです。

ところが、中国の韓国大使館に銃が撃ち込まれてガラスにヒビが入った事件も起こりました。私は一瞬耳を疑いました。韓国の中国大使館が被害を受けたのではないかと思ったからです。事実は逆でした。

どこの国でも狂人がいるのはどうしようもないことですが、それを金で操る組織があるのだと思うと、本当にやりきれない思いにかられます。

中国の最近の経済発展は目覚ましいものがあり、その努力には敬意を表したいところです。しかし、その陰で対内的に様々な国家統制を強力に進めてきたことも否定できません。そして対外的には法外な軍事力を背景にして周辺の国々に覇権的な姿勢を保ってきたことも事実であります。

特にそれぞれの国の領海上のトラブルは日本でも対中、対韓で問題を残しています。最近の事例を見るまでもなく、基本的な解決なくして平和的な関係を維持するのは容易ではありません。

ただし、誰の目にも確かな不法行為、海賊行為は断じて許すことはできません。この際、中韓両国政府はこの問題を一義的なものとして解決に総力をかけて欲しいと思います。そして、今後の参考になる良き事例を残してほしいと考えます。

冷温停止ステップ22011/12/16

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本日18時過ぎに野田総理の記者会見があり、原子炉内の冷温停止状態がステップ2を完了したとの発表がありました。災害発生直後のような大きな危険性が今後はなくなったことを示すステップ2の完了は歓迎すべきことで、関係者の努力を多としたいと思います。

しかし、原子炉そのものには課題がまだ山積しているようです。放射能を含んだ処理水の保管場所が来年3月にはいっぱいになり、その後の手立てが未定となっていると言う問題。また、炉心溶融(メルトダウン)した核物質が格納容器の中でどんな状態になっているか把握が出来ていない問題もあります。

それから、今後廃炉に向けてなお数十年がかかると言います。現在稼働している他の原子炉もたとえ事故がなくても、いずれは廃炉の運命をたどりますが、その立地全体が元に戻るまで気の遠くなるような時間がかかるのです。

何故、広島と長崎の悪夢を経験した国民が同じ“武器”で再び苦しまねばならないのでしょうか?しかも、自ら首を絞めたのです。

何故、科学者や為政者は科学技術に対してこれほどまでに傲慢になってしまったのでしょうか?この今の技術なら科学をコントロールできるという驕りが、原子力発電の採用を急がせたのではなかったか?

今あらためて考えると、原子力発電にかかわる科学技術とは総じてこんなにも欠陥だらけの技術でしかなかった、ということではないでしょうか?

人間が結果的に手に負えないものをどうして現実の社会に持ち込んだのか?原子力の平和利用と言えば聞こえが良い言葉ですが、これだけの大惨事がおきて、福島及びその周辺の自治体のみでなく大勢の国民が苦しんだ事実を考えると、原子力の悪用でしかなかったと言わざるを得ません。

今年を象徴する言葉は、反省を込めて「想定外」にするべきだと思います。この言葉は二度とつかいたくないですし、絶対に使わせたくありません。