巣雲山ある記 ― 2022/12/01
伊東市宇佐美の西の外れ近くに巣雲山という580.7mの低山があります。この山の魅力は四方の景色を楽しめるところにあります。ウェブサイトで検索してみると、殆どのハイカーがJR宇佐美駅をスタート・ゴールにしていました。山頂からの眺望が抜群なのに加え、スタートしてから間もなく振り返ると宇佐美港や市街、そして沖行く船が見えて来ます。特に「ミカンの花咲く丘」コースを行けば、所々にベンチが置かれ、景観が目の前に開けます。あの唱歌「みかんの花咲く丘」の歌詞がここで作られたことでも納得できます。
この山は2011年3月に訪れたときは駅から西側の峰コースを歩き、下山は阿原田コースをとっています。今回は阿原田コースから左回りで歩いてみました。途中まで両コースの真ん中の道をゆき、分岐点で阿原田コースに入るという計画です。阿原田コースに入ってから山道の雰囲気が濃くなってきて、左に色づいたミカン畑を見たり皇帝ダリアの群落を見たりして緩い坂を上がって行きます。ところどころでウルシの木の紅葉が一段と晩秋の雰囲気を盛り上げてくれます。そして、スタートしてから小1時間で”ドッコイ処”に到着。看板の絵マップなどを見ていたら、スクーターが上がってきました。
先ほど、宇佐美駅前を通過した時、数人のハイカーと思しき人たちがタムロして出発の準備しているのを目撃しました。いずれ後から追ってくるかもと思っていましたが、先ずはスクーターのオジサンが登場したというわけです。彼はスクーターを降りて我々の質問の矢を次々と受けることになります。ところが、横浜の戸塚から来たと聞いて驚きました。車ならともかく、スクーターでご苦労様!しかも私と同い年の82才だというからまたまた驚きです。ヘルメットを外した素顔は壮年そのもの。今年は今回で3度目のスクモ山だと聞けば余程お気に入りの山なのでしょう。この方には別れてから暫くで、また会った時は歩いてスクモ山を往復すると言って先に出発してゆきました。それからもう一人、暫くすると、今度は若い人がジョギングで上がってきました。宇佐美駅の裏手の自宅から走って来たそうで、山岳のトレイルランということになるのかな? スーパーに勤務し、周二日の休みを使って毎週走るとのことでした。走る後ろ姿をみると、確かにしっかりした走りっぷりです。何らかのレースで走る常連さんかもしれない。
大丸山の手前の富士見展望台が近づいてくると、イロハモミジやススキを前景にした宇佐美港を見ることが出来ます。そして間もなくその展望広場に到着です。
巣雲やまある記 2 ― 2022/12/02
この広場からはほぼ北側に富士山をはじめ展望が開けます。ベンチやテーブルが幾つかあるので、大勢のグループでの休憩に都合がよい広場です。かつて大丸山山頂までは倒木やイバラの道でしたが、あれから11年の間に歩き易い道に変わりました。 宇佐美地区のNPOの働きに拍手を送りたいと思います。
富士見展望広場から間もなくちょっとした高まりの山道上に三角点(四等)がありました。二度目にしては思いもかけない所にあったという印象です。あのときは巣雲山から下山の途中、大丸山に見参しなければ後々まで悔いが残るという思いで寄り道したのでした。ところが、現在の不遇な場所で出逢ってみると、いささか拍子抜けした感じです。
大丸山を通過して次は巣雲山です。一旦、伊豆スカイライン側へ降りてから、大きな絵マップの看板を確認して山頂を目指します。このスカイラインの手前で北側に分岐する踏み跡に入りかけましたが、すぐに戻りスカイライン目指して下って正解でした。11年前に巣雲山からの下山の途中、どの方角から大丸山に登ったか未だに思い起こすことが出来ない、つまり、私の頭に巣雲山と大丸山の位置づけが出来ていなかったのに起因しています。それともう一つ。スカイラインに接触するのはこの山行きでは一ヶ所だけで、その接触点から5,6分で山頂に登れるという頭がありました。それが実際には二カ所あったのです。
スカイラインに出てからは先ほどの絵マップと同じものを、今度は念入りに見て出発です。第2のスカイラインを確認するまでがアップダウンを繰り返す苦しい行程でした。約30分近くかかりました。その後はやはりわずか5,6分で待望の巣雲山の広場に到着です。午後12時半でした。トップのĪI氏がそのまま展望台のラセン階段を上がって行きます。セカンドのS氏、そして殿から私が後を追いました。展望台に上ると、四方に景観が広がりますが、この時刻には陽も柔らかくなり、遠景は雲に覆われて残念ながら富士山も姿を隠していました。
下山は分岐点まで戻って峰コースに入りました。途中、間もなく平家の落ち武者が生き仏となって埋められたお墓の前を通過。峰コースは山間を下る細い道、寂しい道、沢沿いの道が延々とつづきます。ここに来てやっと山歩きの雰囲気を取り戻した感じです。丹沢や奥多摩の山を思い出しました。「行者の滝」は見上げるほどの落ち口から僅かな水が糸のように流れ落ちているのが分かりました。秋の長雨、初夏の梅雨の時など水量は豊富に見られるのでしょうが、滝水が多ければ、これにつづく沢道が心配です。
行者の滝
その後、小沢に丸木を並べて渡した小橋を渡る道と、沢の右岸沿いの道とに分かれる所に出ました。ここで思案六法。結局、小橋を渡って正解でしたが、この分岐点には方向指示標の設置が望ましいと思います。登り方向にはともかく、下りに特に必要ですね。
その後は、沢沿いの美しいヒノキ林を抜けて別荘分譲地に到着。そして竹林を過ぎれば、宇佐美の市街地は間もなくです。
ふれあいの森の紅葉 ― 2022/12/03
花の会 ― 2022/12/05
入間千畳敷 ― 2022/12/07
いわゆる南伊豆歩道は中木~入間、入間~吉田、吉田~妻良の三カ所が設置されています。中木~石廊崎間の長津路遊歩道と先日歩いた子浦日和山遊歩道を加えると、かなりの距離を楽しむことが出来ます。きょうは入間から千畳敷までの部分を往復してきました。今朝の稲取は多少風があり、南伊豆ではさぞ強い風に悩まされるだろうと覚悟しての出発でした。でも、現地ではさすがに風は強かったものの遊歩道に入ると、やはり山の中のせいか特に心配するほどの強さを感じないで済みました。ただし、千畳敷に降りたら、海岸ですからある程度の風はありました。それも危険を感じるほどではなかったのが何よりでした。
国道136号沿いのヒリゾ浜駐車場から三ツ石岬の岩脈を遠望
千畳敷は伊豆石を切り出した跡がそこらじゅうに残って昨日の雨を溜めていました。千畳敷の最北端まで行くと、目の前の三ツ石岬の先端が断崖になって白い肌を剥きだしていたのには驚きました。これは岩脈といって海底に潜った火山灰が他から切り離されて海上に隆起したものなのだそうです。
遊歩道から千畳敷に降りる
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