<><><><><><><><><><><><><><><><><><>

入間千畳敷 その22022/12/08


朝9時に出発した仲間4人は国道136号線のヒリゾ浜駐車場でトイレ休憩した。西方に幾つか大小の岩礁が散在している美しい風景が展開している。背後には白い断崖が3カ所目に入った。多分、手前の断崖がこれから訪ねる千畳敷の根元、三ツ石岬の断崖だろうと想像した。だとすれば、一番奥の最も白い断崖は?岬に違いない。休憩後、車は知らぬ間に石廊崎方面へ向かっていた。当初、考えていたのは左回りではなく、日野から左回りに向かうルートだった。その方が走行距離が少なくて済む。しかし、たいした差はない。むしろ、石廊崎の海岸の風景が続く中木を経由したルートのほうが楽しめたかも知れない。 

入間港に着いて、数年前にここを訪れた記憶が少し残っていた。伊豆33観音霊場巡りの一つとして入間入口のバス停から3,40分歩いて到着したのだった。浜近くの海蔵寺で老齢のご住職が新しい卒塔婆に筆を振るっている傍らで納経させてもらった。それと、彼から説教を聞いて神妙な気持ちになったことを覚えている。説教の内容は忘れたが、納経の心構えについてだったと思う。 

さて、遊歩道入口に立ったとき、S氏が突然言い出した。「ここなら来たことがある!」それを聞いて驚くと同時に、経験者がいたことで私のほうは気が楽になった。実は、これまでの仲間とのウォーキングで、今回は私としては初めて未体験の場所だった。どんな状況なのか分からない。しかも、断崖絶壁を辿るコースは道が狭く、一歩足を滑らせたら絶壁を滑落する危険がある、という一抹の不安があった。私自身はともかく、メンバーにリスクを負わせたくない。 

しかしながら、実際に歩いてみると確かに気を許せないが、危険と隣り合わせの状況ではなかった。最初のいきなりの急登を約15分ほど我慢して、車道に合流したときは不安を一掃することができた。この車道は入間から上がって来て、この先、千畳敷への下降点で終了。山側に吉田への山道が続いていた。軽トラが二台留まっていて、看板標識を見ていたら一人のハンター姿のオジイサンが現れた。ミカン色の例のハンター用のチョッキと作業着で決めている。アンテナ棒が付いたトランシーバーでそのモニターを見ていた。「犬の声がしたのはシシ狩りですか?」とI氏が訪ねた。そういえば、遊歩道入口にシシが出るから要注意との看板があった。でも、高齢のハンターはゆっくりと、言葉少なに「シカだ」との返事。山に入っているのは4名だという。軽トラのナンバーは浜松だった。随分遠くから来たものだ。 

さて、千畳敷へ下降開始。急崖を下降してゆくと案に相違して風はそれほどではない。九十九折りの石段にはロープも張ってある。注意すれば特に案じることもない。ススキが両サイドに風に靡き、陽を受けて輝いていた。海上の南側には中木(?)の西南海岸に面した尾根がやはり厳しい断崖を見せていた。15分ほど慎重に下ってついに千畳敷に辿りついた。