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谷間の一族2016/04/21

峠のオリーブ畑から海に向かって続くなだらかな南ないし南東の斜面は、いつも日をいっぱいに浴びた楽園の一つです。

小杉山から続く背を回り込み、一族の住む谷間に入って間もなく、主たる道路が西に直角に曲がる場所は海に向かって展望が得られる優れたビューポイントです。ここで一息ついたとき、ご婦人がミカン畑の中で一人黙々と草取りをしているのに気が付きました。早速降りてゆき、お邪魔することにします。姉さんかぶりのそのお顔は半分以上隠れて、お年のほどが分かりません。後で話のついでに伺ったら、85歳ということでした。ご主人は15年も前に75歳で亡くなっています。

ご主人はマラソンが好きで、毎年の町民体育大会ではいつも競技にエントリーしていました。そんな健康な彼も亡くなる前の年の大会終了後に、缶ビールを半分飲んだ後、急に横になって動かなくなりました。そして救急車で順天堂大学病院に運ばれ、その後、半年後に帰らぬ人となりました。クモ膜下出血でした。倒れたときにはそれでも幾らかのお話しが出来たというのに、また、75歳ならまだこれからだというのに、ご本人も残念だったことでしょう。

そのご主人が亡くなってからは、ご長男一人が農業で頑張っていますが、孫たちは大学生で自分たちの夢に向かって突き進んでいます。農業をやれ、とはとても言えません。

今この辺では気温が少し高くなってきており、ミカンの栽培に微妙な影響を与えているようです。平均0.5度は確実にオーバーしていると言います。これから、地球温暖化ということもミカン栽培の先行きにとっては不安な材料の一つです。気温が高ければ良い、というものではないらしい。

ところで、このご婦人の実家がすぐ近くの家と聞いて驚きました。その家のご当主から私はいろいろなことを教えていただいていますが、実はこの方の弟さんだったのです。他にも、私の知っている画家の女性が今のこのご婦人の家から出た娘さんを母御にしていたことが分かりました。つまりご婦人からすれば姪ということです。周りの一族にしても、複雑に入り組んでいることが分かりました。一度聞いただけではとても覚えきれないほどのお話しでした。

コメント

_ 岬石 ― 2016/04/22 18:37

「谷間の一族」、とは、イメージが膨らむ言葉です。昔観た、モノクロの映画で「我が谷は緑なりき」というイギリスの映画を連想します。
その一族が住みついて、代々の、頭首及びその周辺の人物の人生を描写できれば、きっと、NHKの大河ドラマになってもおかしくないですね。

_ inada ― 2016/04/22 21:00

「我が谷は緑なりき」は私も心に残る映画の一つです。ただし、テレビで見た映画ですが。
私の「谷間の一族」についてはそのキャラクターの一つ一つを着々とストックしてきていますが、おっしゃる通り、それらを纏めきれれば一篇のストーリーをモノにできることでしょう。ただ、私にその力量がないのが残念です。

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