伊豆稲取便り

ひと昔前、通学路のいたるところでゴミ拾いをしている稲高生たちの姿をよく目撃しました。特に空き缶などをブッシュの中に入ってまで探し回っていたのが印象に残っています。

彼らはたいてい挨拶をよくし、私たちも気分よく挨拶を返したものです。最近はそうした姿が見られなくなったのは少し寂しい気がいたします。ところが昨日は礼儀正しい二人の生徒さんに出会ったのです。

親水広場からミカンワイナリーに出て坂を下っているとき、二人の生徒さんが歩道の真ん中で石段に座って休憩しておりました。私が近づくとサッと立ち上がり、道を空けて「こんにちは」と声をかけてくれます。

陸上部の練習かと訊くと、レスリングの合宿をしているという。そのまま歩きながら話を聞きます。一人の生徒さんが能弁で、もう一人はニコニコして相槌を打っています。どうやら、上の方の体育館での練習の帰り道のようです。

「合宿は21日から25日迄です。ボクらは一年生で、学校の生活館に泊まっています。上級生の方はスゴいんです。民宿ですよ。お刺身だとか、豪華な食事。ボクらは牛丼です。部屋にはたまにゴキブリがいてたりして」

指導する先生は二人だそうですが、さて、どちらに宿をとっているのでしょうか？ワリを食った先生は？間もなく校舎への裏口に来て、彼らは「ここで失礼します」と言って校舎へ降りてゆきました。