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子浦日和山遊歩道その22022/11/23

日和山の標高は116.9mしかない。きょうは山登りではなく、子浦の海岸めぐりから足を延ばしたウォーキングという位置づけである。南伊豆の子浦には海岸沿いから日和山に至る遊歩道が整備されており、遊歩道沿いに33観音やコロバシ地蔵などの他にジオサイトとして見どころが随所にあって、十分に満足できるウォーキングだった。そしてまた秋深まった平日に来たこともあり、外来客は浜辺にテントひとつの家族連れと、他には堤防で釣りをする人が一人いただけの静かな半日を過ごすことができた。 

子浦の海岸に10時ごろ着いた私たちは(マップ・・・11月16日分を参照)の子浦観光協会の駐車場に車を置き、マップとは反対に右回りでスタート。先ずは堤防目指して海沿いを歩いてゆくと、漁師小屋の中にお年寄りが一人いるのを見て、すかさずĪ氏が声を掛けた。「あの網で何を獲るんですか?」平屋の二辺をくり抜いて柱だけにした作業小屋の奥に赤い網があった。お年寄りは伊勢海老だよと答えた後、ヒラマサやキンメも獲ってくるという。ヒラマサとはブリより大きい魚だと、釣りの好きなS氏が教えてくれた。なるほど堤防に繋留されている漁船は5トン以上の大型船ばかりだ。年を聞いたら80才だという。今では息子が引き継いでいるが、彼も時々乗るそうだ。幸せなご隠居さんだ。 

その後、なお海岸沿いの道を進んで、堤防の根元に到着した。ここの石段から日和山への遊歩道が始まる。看板に略図があった。石段を上って堤防の上に出ると、一人の釣り人が糸を垂れていた。子浦、妻良の港が一望できる。これより急な山道を、5,6分も行くと、子浦33観音に到着。石灰岩が年月をかけて風蝕や浸蝕作用によってボロボロに横に削られたのだろうか、洞窟を半分にしたように深く抉れた壁に33観音が立っておられた。いずれも長い歴史を物語るように風化して崩れたお顔が殆どだ。天井を見上げると、今にも落ちてきそうな壁に小石くらいのものもあり、あわててそこから離れた。この石物群は目の前を航行する漁船の無事を願ったものと考えられる。南伊豆は風が強い。難破した船も多かったに違いない。(つづく)