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河津バガテル公園訪問記2024/05/03

ゲートをくぐると右手に赤い花がところどころに目立つ一本の木。マロニエ(トチの樹)だ。昼食の時間が過ぎていたので、とりあえずフランス広場で食事をしてから入園。先ずはオランジェリー(イベントホール)の建物側の一角にドッグランコーナーが誕生していた。中年のカップルらしい一組が網の中の枠内に入って、柴イヌなどの大型犬2頭に指示を与えていた。リードを解かれた彼らは枠内で走り回ってご機嫌のようだ。

 

ところで、今朝は雨上がり後のどんよりとした空模様から始まったせいか、広い園内にはチラホラと人の姿が散見されるのみ。これで主役のバラがローズガーデンを飾ってくれたら言うことなし、という思いはあった。それはともかく、ガーデンは右手の外周コースから攻めてゆく。ゆるやかな坂を詰めてキオスク(展望台)へ。この展望塔にハシゴ段が付いてないのを今回、初めて知った。でも、ある程度の高度にあるのでガーデン全体の視野は目の前に広がっていた。緑の“トンガリ帽子”が園内の空間を要所要所で埋めている。

キオスクの周りでプラタナスの落果していた実を女房殿が目ざとく見つけた。オー、ナントひさしぶり!伊豆に移住してあと半年で15年。それ以前はよく散歩して歩いた谷津バラ園でお馴染みだったプラタナスの実、“鈴懸け”の実だ!このバガテル公園には幾度となく足を運んだのに、バラの花に魅せられて立ち樹には気が付かなかった。このガーデンには落葉広葉樹の高木が多く、新緑の今はその緑が美しく瑞々しい。

 外周コースの最初の径を下ってガーデンの東端へと進むと、ようやくバラの花も増えてきた。そして“海が見える丘”で小休止。そのベンチに一組のカップルがいた。先ほど二人でバラを丹念に鑑賞して歩いていた方たちだ。ただし、東西に離れたベンチにそれぞれ居座っている。ご主人の方はタバコを手にしていた。歳を聞くと昭和15年生れで私と同い年だ。「あと5,6年も生きれば十分。タバコは最後まで喫い続ける」と、彼は嘯いた。奥様はと聞いてわかった。やはり離れたベンチで嫌煙権を行使した形である。

「この公園は旧陸軍の日本航空が原野を拓いた跡地で、ここに公園を造るため役所の担当者数人がフランスに渡ったんですよ」 なるほど、それでフランス式の公園なんだ。この公園にはフランス語の施設名などがふんだんにある。オランジェリー、キオスク、パーゴラ(トンネル)・・・etc。公園設計の基調を王城下のフランス庭園に求め、いろいろその知識を得て帰国したという。プラタナスやマロニエなどの植樹もフランスの香りそのものである。

きょうはスーパー「アオキ」で買物した帰りに寄ってみたという彼は河津の山奥大鍋でワサビを栽培している農家だった。若い時はいろいろ苦労があったようだ。それを乗り越えて現在があると呵々大笑する彼に息子がいるが家業を継ぐ者はいないそうだ。しかし、生業を全うして子どもたちを育て上げた今は悠々自適の生活である。夫婦で時に働き時に休む。毎日の生活に何の憂いもない。人懐こい性格はそんな生活習慣から来ているように思われた。



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