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港の風景2009/09/14

稲取漁港
港を出入りする船には何となく夢がある、と皆さん誰しも思うことですね。大きな客船を見れば、行く先はハワイ航路かヨーロッパ、アメリカか、と想像をたくましくしてしまうものです。

稲取港では、しかし、出てゆくときはたいてい一艘、二艘、三艘とつづき、数時間後にはまた次々と戻ってまいります。漁港のため、出船入船が行き交うということは先ずありません。観光船などが出入りしないからです。

いつの頃からか、夜中にトイレで起きる回数が増えてまいりまして、否応なく歳を感じておりますが、最近では起きるたびに港を眺める習慣ができました。

そんななかで3時前後にうまく目が覚めると、次々と出港してゆく船を見ることができます。殆どが前と後ろに明かりをつけ、多少の間隔を空けて夜の闇を進んでゆく光景は、まさに点と線の光の行進です。

あまり感動し過ぎてその後なかなか寝られなくなると、それも善し悪しですが、そんなことはありません。気分さっぱり(?)と、次のトイレの周波数が来るまで寝られます。

船は艦船であれ漁船であれ、波を分けて進む姿には感動します。漁船の場合、日中見かけるのは殆ど戻ってくる船です。そして、漁船が戻ってくる姿を見ると特別な感情を抱きます。

つまり、戻ってくる船は、ここ稲取では、たくさんのキンメを抱えているに違いないのです。赤く輝いた肌、光に当たるとキラキラと輝く黄金の目、あのキンメを戦利品にして堂々と凱旋してくるのです。思わず拍手したくなるではありませんか!

市場が忙しくなるのは船が戻ってくる午後2時前後でしょうか。その時間を外せば、稲取漁港は静かなものです。釣りをする人の姿が目立つのはそんなときです。

岸に繋がれた船、船、船・・・。
港に浮かぶカモメの群れ・・・。
波止場の釣り人・・・。
沖をゆく白い船・・・。

港はいろいろな姿を見せてくれます。