ガードレールで足ブラブラ ― 2025/03/21
カップルと分かれて間もなく、小さなザックを背負った中年の男性に出逢った。この道を歩く人、二組に出逢ったのは珍しい。どこから来たか聞くと、小学校の体育館の近くからだという。眼医者さんの道路の反対側というので、カヤ寺からの坂道の天神坂のようだ。空き家を改修してみんなで住めるようにした“観光組合の施設”のような話である。この稲取に空き家を探し、仲間とシェアすることで若い時から度々訪れて別荘生活のまね事を楽しんできたらしい。なるほど、そういう“手”もあるんだなと感心した次第。帰りはクロカンコースによってから、稲取高校を経由して港に出、コラッシェで買物するつもりだと言っていた。
そんな彼と別れてから、大川を渡り緩やかな上り坂の前方に不思議な動きをしている人に気が付いた。だんだんと入谷道に近づき、その左り角のガードレールに摑まって足をブラブラ動かしているのが分かった。つまり、自己流の健康体操をしているのだ。何度かした後、また別の足を同じように繰り返していた。声をかけると、顔を上げて照れ笑いをしながら、足に少し違和感があるんでねと弁解した。かなりの年配の方だ。 つづくヨカサカ~柚久保道を ― 2025/03/20
栄昌院~入谷道~入谷口~ ― 2025/03/17
大川の橋の袂に咲いた濃いピンク色の花びらが少し散り始めていました。サクラの木を前にして暫く呼吸を整えます。華やかな枝の背後には最近雨の日が多くなったことを証明するかのように大川の小堰堤を越えて流れ落ちる水が白いシブキをあげていました。この場所に立つと、決まって思い出すのが、T先生のミズバショウの話。桃野湿原に町の事業の一つとしてミズバショウを植えこんで尾瀬のような場所を具現しようという期待が、ある年の台風によって敢え無くもつぶされてしまったこと。この湿原の北側に下った所に野鳥観察舎が今尚残るミニ公園とともに先年亡くなられたT先生の思い出は尽きない。
一望閣を真下から見上げることが出来る細い急な坂を上がりきった場所は先に触れた変則十字路です。一望閣が営業していた当時は送迎バスがこの小峠を駐車場にしていたと聞きます。ここから一旦駅方面へ下ってすぐに右へ栄昌院方向に向かいます。この辺は大長坂で、その屋号のお宅のミカン畑が広がっています。ミカン畑の中でだいだい色のミカンを背景にポーズをとってくれた故N女史の笑顔が思い出されます。田代の台地に続く坂道の入口でこのミカン畑をもう一度振り返って暫し回想に耽ります。都会の生活からUターンして故郷の稲取に戻った幸せを彼女は話してくれました。
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