<><><><><><><><><><><><><><><><><><>

河津のクンちゃん2009/10/17

河津のクンちゃん
河津のクンちゃんは昔、日活の俳優だったそうな。宍戸錠、田村二郎、岡田真澄らと共演したことがあるそうです。

カウボーイハットに白のブルゾンとジーンズ、そして、ブーツできちっと決めた姿は確かに銀幕から飛び出してきたスターのようです。

きょうは日帰りの踊り子温泉会館へ行こうと、女房殿と一緒に河津に来ました。駅前の干物などを売る魚屋さんでアジの寿司弁当を買ってから、河津川をさかのぼります。

途中、いつものように“パン工房”で食後のパンを買い、足湯の前で河原に下りました。石段に腰をおろして、川面を眺めながらの昼食です。アオサギがじっと水面を見つめています。

きょうは土曜日。ときどき水面上に銀鱗が跳び上がっているというのに、釣り人の姿が見えません。禁猟の期間に入ったのでしょうか?ついこの間までは大勢の太公望が長い釣竿をかざしていました。

食後、ぶらぶらと豊泉橋を渡ってゆくと、神社の例祭を知らせる大きな幟旗に気が付きました。折角だからと詣でることにします。

ところが、その手前まで来ると、大勢の人が集まって歓声を上げている現場に出くわしました。公民館風の建物の二階から餅を投げていたのです。

そこで何やかやと世話役に忙しかったのが河津のクンちゃんです。「来宮神社の例祭の一こまでね、(二階から餅を投げるのは)河津の一種の文化なんですよ」河津のクンちゃんが私たちにこう話しかけてきました。

「そこの峰の大噴湯は是非見に行ってください。ここの温泉は48メートル掘っただけで出た温泉で、毎分ドラム缶20本分の湯が湧き出る日本一の温泉ですよ」

クンちゃんはその大噴湯で説明役を買って出ているのだそうです。道理でお話が流暢です。また、何かというと司会などに呼び出されて、例えば結婚式の司会は50回もしたといいます。

後で分かったのですが、クンちゃんは‘床屋のクンちゃん’の愛称で河津の多くの人々に愛されています。きっと、彼の働きで“河津の文化”は今後も守られてゆくことでしょう。