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東伊豆町民文化祭2009/11/01

稲取ベル・フィオーレ
東伊豆町民文化祭が町立体育センターできのうから開催されています。

二日目のきょうは女房殿が加入しているコーラス、稲取ベルフィオーレも出演するというので、覗いてまいりました。

体育センターは東伊豆ワイナリーの隣にあり、クロスカントリーコースは目の前です。会場は体育館の大きなフロアを幾つにも仕切って、各種展示会場とステージがありました。

豪華な雛のつるし飾りをはじめ、象嵌雛飾り、絵手紙、押し花、盆栽、書、絵画など、町民の優秀な作品が展示されて、多くの人が鑑賞しておりました。

ステージでは各種ダンスの演技が披露されたあと、合唱の部が始まりました。我がベルフィオーレは3曲を合唱し、盛大な拍手がありましたが、少し練習不足のようなできでした。

それはとにかく、文化祭に参加できるコーラスだったことで、立派にその責任を果たしたと言えます。ご苦労様でした。

モクズガニ2009/11/02

モクズガニ
稲取大川の河口で竹竿を水面に突き刺している人がいました。仲間二人、ちょうど私たちと同年輩くらいのオジサンたち。

「あれは“ひっこくり”よ」と女房殿が言いました。

橋のたもとで見ていると、やったあ! 引っ張りあげた紐の先にカニがかかっています。大急ぎで私も現場にかけつけました。もちろん、カメラがザックの中にあります。

波打ち際でそのエモノを見せてもらいました。けっこう大きなカニです。
「これはモクズガニだよ」
「やっぱり、ゆでると赤くなるんですか?」
「いや、これは赤くはならない。この辺じゃ、まず食べる人はいないね。河津では旅館で出すけどね」
河津の川はきれいですからね、と私も相づちをうちました。

それでも、食べる場合はニ三日水の中に放っておくそうです。そうすると、砂を出すから、と言いました。稲取大川の汚れは、そうすることでミソギを受ける?

オジサンたちはご近所の方で、子どもの頃の遊びのまねでもしようと、海端に出てきたようです。竿にエサを巻きつけもせず、紐だけでひょいひょいと、見ているだけで瞬く間に3匹掴まえました。なかなかの名人でした。

稲取小百年史2009/11/03

東伊豆町民文化祭
ラーメン屋のフナさんに「稲取百年史」の本がどこにもない、と話をしたら、奥様が本棚から「稲取小百年史」を出してきて見せてくれました。

函入りの、布で装丁された500ページ余りの立派な本です。昭和55年2月15日発行の「遷喬」というタイトルがついています。ウグイスが谷から飛び立って羽ばたくサマを高い理想に向かう姿と捉えて名づけたそうであります。

稲取に人が住み始めたころから筆を起こし、稲取の歴史、民俗、風俗とともに稲取小の歩みを記録しています。ざっと目を通しただけでも、相当な労作であることが分かります。

伊豆稲取に何かの縁で住むことになり、その人と自然にとけ込むためには、そして、よりよく理解する上で歴史を知ることは大切です。

思いがけなくも、この本を貸してくださることになりました。分厚い本ですので、簡単には読了できないでしょう。それでも、少しずつ読み進めてゆこうと考えています。

爪木崎2009/11/04

爪木崎灯台
秋も深まりつつあるなか、好天につられて下田の爪木崎公園へ行ってきました。

下田駅からバスが1時間に1本の割で出ています。終点の爪木崎バス停で下車。降りたところが既に展望台でした。

目の前に広がる爪木島、浜、灯台。背景には左から大島、利島、鵜渡根島、新島の伊豆諸島がずらりと姿を見せています。そして、青い海に白い船、

昭和天皇と皇后の歌碑の裏にベンチがありましたので、先ずはここでお弁当を広げます。もちろん、おにぎりと一菜、そしてサンドイッチ。それ以上に何を望みましょう。

食後は尾根通しに爪木崎灯台へ向かいます。途中、地元では“俵磯”と呼ばれているという柱状節理の岩礁を見学することができました。500万年前に安山岩質溶岩が冷却されて出来た、と立て看板に記されています。

灯台に着いたところで、ひとりのランナーがやってきました。私たちと同年輩くらいの方で、柿崎から走ってきたのだそうです。片道約5キロはあり、しかもアップダウンのコースです。

帰りは浜に下りてみました。この台地の東斜面がスイセンの群生地ですが、今は未だ花をつけていません。スイセン祭は12月の20日からだそうです。その代わりにイソブキ(ツワブキ)とイソギクの黄色い花が私たちを向かえてくれました。

浜でゴミを燃やしている人がいましたので、近寄って訊いて見ました。
「この間の台風で打ち上げられたゴミですよ」
「この海水の何ときれいなこと、コバルトブルーですね」
「そのためにも、浜をきれいにしないとね」

海水は水底の砂を美しく写してくれています。遊歩道の終わりには早くも、アロエが赤い花を少し咲かせていました。

イソブキ2009/11/05

イソブキ
久しぶりに“稲取ふれあいの森”に上がって、エコクリーンセンター東河から伊豆稲取駅まで歩いてみました。

クリーンセンターとサッカー場の間を抜け、上り坂にかかったところに、早くもサクラが咲いているのを見つけました。花びらが小さいヤマザクラです。

どうして11月の初めに咲き出したのでしょう。12月以降の気温が低くなった頃、山の中で早咲きのヤマザクラをよく見かけましたが、それにしても早すぎます。

このごろのお天気は20度を越える日もあって、11月はじめの気温としては平年より若干高めです。小春日和というには、やはり少し早過ぎる時期ですね。温暖な日がつづけば体調もそれなりに維持できるので歓迎ではありますが、昔からの季節を追った生活が私たちの体にあっているような気がします。

‘水生の庄’に上がると、イソギクとイソブキが迎えてくれました。いずれもきのう下田の爪木崎で見てまいりました。

イソブキは先月の中ごろ、稲取岬灯台の脇にたくさん開花していました。でも、この‘水生の庄’のイソブキはとりわけ綺麗な“キクの花”です。

花はキクでも、葉っぱがフキの葉に似ていてイソブキ(ツワブキ)、花はキクらしくないのに、葉がキクの葉でイソギクとは、植物の門外漢には戸惑うばかりです。

それはともかく、水生の庄の前の道はいつも通る人を慰めてくれます。アジサイ、オニユリ、そして君子ランなど、まだ記憶に残っています。宿の方の優しい心遣いが嬉しいですね。

その先は‘いなとり保育園農園’を経て急な上りを詰めると、稲取漁港が見下ろせる高台に出ます。ここは優れたビューポイントです。

そこから谷へ下りると、広いみかん畑を囲むようにして民家の集落に出ます。ここは東斜面のせいか、ミカンはもう黄色に色づいていました。

綺麗に手入れした松ノ木の‘雪つり’をしている家がありました。この場合は、雪のためではなく、枝ぶりを整えるためのものでしょうか。

もう一度坂を上り詰めると、もう、稲取漁港が見えてきます。急な坂を右に左にゆくと、伊豆急の稲取駅までは間もなくです。ちょうど1時間の小さな小さな旅でした。