はさみ石 ― 2010/02/07
風が少し冷たいけど快晴、暖かい日差し。朝9時半、“はさみ石”を探しに出ました。はさみ石とは、昔稲取の子どもたちが遊んだり見たり聞いたりした奇岩のひとつで、トモロ岬の南手前の海岸に立つ岩のことです。
「稲小百年史」に書かれている説明によると、平らな大石がふたつ並んで立っていて、その間に小石をはさんだ珍しい岩だとあります。その場所へは、現在の国道から途中まで下りる道があるとのことでした。去年の暮れにmonma さんから頂いた情報です。
稲取漁港のテングサ館からゆっくり歩いてゆくと、後ろから、道端のアルミ缶を拾いながら早足でやってくるオバサンがいました。釣り宿の朝陽館にゴミ箱があるからそこへ持ってゆくとのこと。
連れ立って歩きながら旧国道の昔の様子を訊くと、子どものころはバスでそこを通って白田のほうへ出たと言います。70歳前後のこのオバサンの子どもの頃は、今の国道に黒根の坂が細々と通じていたとのことです。唐沢の部落への道だったのでしょう。
朝陽館から引き返すオバサンと別れて唐沢に上がり、国道を白田方面へ向かいます。歩道がないので車に気をつかいながらトンネルの手前まで来ました。
そこには‘友路橋落橋防止工事’の看板が立っていて、足場とは別に山側に作業道を見つけました。橋げたのほうへ回り込んでいます。きょうは日曜日で作業員の姿はありません。
恐る恐る足を踏み入れると、廃屋となった長屋風の大きな家があり、更に道は橋の下をくぐって海側へ崖っぷちまでつづいていました。そこから左右に細い踏み跡があります。
ガケに沿った細い踏み跡を追ってみると、北のほうには白いガードレールが藪の中に見えました。南へは斜面にからくも細い踏み跡がつづいていましたが、今回は深追いせず引き返しました。“はさみ石”を目の当たりにしただけでも、本日は充分な収穫でした。
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