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「火曜日のごちそうはヒキガエル」 ― 2012/12/29

「火曜日のごちそうはヒキガエル」
ラッセル・E・エリクソン 作 ローレンス・デイ・フィオリ 絵 佐藤凉子 訳
雪深い森の地面のずっと下で暮らしていたヒキガエルのウォートンは、妹が作ったカブトムシの砂糖菓子がことのほか美味かったので、これを叔母さんに届けようと思い立ちました。
次の日から三日間かけて丈夫なカシの木の根をつかってスキーを作り、ストックもヤマアラシの針とサンショウウオの皮で作りました。そしてセーターや上着をたくさん着込んで、心配する妹を残して出発しました。
スキーもうまく使いこなせるようになって一休みしたとき、切り株から落ちたまま雪の中で逆さまになってもがいているシロアシネズミを助け、温かいお茶を飲ませて介抱してあげました。
その後、シロアシネズミと別れて谷間の森を通り抜けようとしていたときに、警戒していたミミズクにとうとう捕まってしまいました。ミミズクは彼を掴んだまま空を飛んで背の高い大きな木のウロに入り込みました。
ウロの中に落ち着くと、ミミズクが宣言します。六日後の自分の誕生日にウォ―トンを食べることにすると。
ウォ―トンはそれからの6日間、逃げるための準備をします。ウロは高い所にあるので簡単には逃げられません。そこでミミズクが外出している間に、着込んできたセーターをほどいてハシゴを作ります。
二人が一緒にいる間は、ウォートンは友だちなんかいらないというミミズクに話しかけます。持ってきたお茶を勧めたりもします。そのうちにミミズクもいろいろ自分からお話するようになります。お茶が美味いと言われたウォ―トンは、ネズの実のお茶が格別に美味いことをミミズクに話します。
ところが運命の日の前日になって、作ったハシゴがミミズクに見つかってしまいました。逃げ出すすべがなくなってしまったのです。そして当日を迎えました。ミミズクはいつものように外出しています。
ウォ―トンが恐さでふるえていると、シロアシネズミの仲間が助けにきてくれました。彼はウォ―トンが助けたシロアシネズミの親戚だったのです。シロアシネズミは木をかじって穴を掘り進んで助けに来ました。
ようやくカシの木の根元まで降りると、ウォ―トンとシロアシネズミ、そしてそこで待っていた合計100匹ものネズミたちはそこから一斉に逃げて行きます。ところが、その途中、例のミミズクがキツネに捕まっているところに通りかかり、ウォ―トンはネズミの助けを借り、彼をキツネから救助します。
ところで、ミミズクは誕生日のこの日、いつものように外出する前にウォ―トンに書置きを残していました。いいものを持って帰ると。いいものとはウォ―トンが最も好きだというネズの実でした。それを採って帰るときにキツネに捕まったのでした。
「・・・あれこれ頭に浮かんで、寝つかれなかったんだ。毎晩いろいろ話したことなんかがな。それで、友だちがいるのも、そんなにわるくはないと思ったんだ・・・おまえさんのような友だちが」
それから、ウォ―トンはミミズクの背に乗って、叔母さんの家めざして飛んでゆきました。
ラッセル・E・エリクソン 作 ローレンス・デイ・フィオリ 絵 佐藤凉子 訳
雪深い森の地面のずっと下で暮らしていたヒキガエルのウォートンは、妹が作ったカブトムシの砂糖菓子がことのほか美味かったので、これを叔母さんに届けようと思い立ちました。
次の日から三日間かけて丈夫なカシの木の根をつかってスキーを作り、ストックもヤマアラシの針とサンショウウオの皮で作りました。そしてセーターや上着をたくさん着込んで、心配する妹を残して出発しました。
スキーもうまく使いこなせるようになって一休みしたとき、切り株から落ちたまま雪の中で逆さまになってもがいているシロアシネズミを助け、温かいお茶を飲ませて介抱してあげました。
その後、シロアシネズミと別れて谷間の森を通り抜けようとしていたときに、警戒していたミミズクにとうとう捕まってしまいました。ミミズクは彼を掴んだまま空を飛んで背の高い大きな木のウロに入り込みました。
ウロの中に落ち着くと、ミミズクが宣言します。六日後の自分の誕生日にウォ―トンを食べることにすると。
ウォ―トンはそれからの6日間、逃げるための準備をします。ウロは高い所にあるので簡単には逃げられません。そこでミミズクが外出している間に、着込んできたセーターをほどいてハシゴを作ります。
二人が一緒にいる間は、ウォートンは友だちなんかいらないというミミズクに話しかけます。持ってきたお茶を勧めたりもします。そのうちにミミズクもいろいろ自分からお話するようになります。お茶が美味いと言われたウォ―トンは、ネズの実のお茶が格別に美味いことをミミズクに話します。
ところが運命の日の前日になって、作ったハシゴがミミズクに見つかってしまいました。逃げ出すすべがなくなってしまったのです。そして当日を迎えました。ミミズクはいつものように外出しています。
ウォ―トンが恐さでふるえていると、シロアシネズミの仲間が助けにきてくれました。彼はウォ―トンが助けたシロアシネズミの親戚だったのです。シロアシネズミは木をかじって穴を掘り進んで助けに来ました。
ようやくカシの木の根元まで降りると、ウォ―トンとシロアシネズミ、そしてそこで待っていた合計100匹ものネズミたちはそこから一斉に逃げて行きます。ところが、その途中、例のミミズクがキツネに捕まっているところに通りかかり、ウォ―トンはネズミの助けを借り、彼をキツネから救助します。
ところで、ミミズクは誕生日のこの日、いつものように外出する前にウォ―トンに書置きを残していました。いいものを持って帰ると。いいものとはウォ―トンが最も好きだというネズの実でした。それを採って帰るときにキツネに捕まったのでした。
「・・・あれこれ頭に浮かんで、寝つかれなかったんだ。毎晩いろいろ話したことなんかがな。それで、友だちがいるのも、そんなにわるくはないと思ったんだ・・・おまえさんのような友だちが」
それから、ウォ―トンはミミズクの背に乗って、叔母さんの家めざして飛んでゆきました。
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