磯もの ― 2011/05/06
きょうは珍しく“はなれ”の先端で釣りをしているカップルを見かけました。少し風があって冷たい中でじっと糸を垂れていました。釣果は未だゼロのようでした。
きのう南伊豆の逢ヶ浜の磯では、石を引っくり返して巻貝のようなものを探している人たちがいました。名前を訊くと、“磯もの”と漠然と呼んでいて、本当の名前は知らないという。いずれ写真を撮って図鑑で調べてみましょう。
水際の岩にこびり付いている海藻も、もはや5月ともなると食糧になるものはあまりないようです。寒い時期は“ふのり”がよくとれて、そのとろんとした食感に人気がありました。
そして、“黒のり”、“はんばのり”の時期が終わると、“はんば”より皮が厚めの“磯香”がシーズンの最後を飾ります。これはワカメよりも茎自体が小さな海藻です。ワカメが海中で成長しきれないうちに岸に打ち上げられて岩に付着したもののように思えますが、どうなのでしょう?
波に洗われた岩の上にゴワゴワの“ふのり”と思われるのがありました。これが更に成長して、来シーズンの“ふのり”を“生む”ことになるのでしょうか。
きょうはさすがにゴールデンウイークもおおよそ終わったことで、他に磯で岩を引っくり返している人の姿はありませんでした。やがて、夏のシーズンを迎えると、また違った楽しみが子供たちを惹きつけることになります。
旧稲取灯台 ― 2011/05/08
旧稲取灯台には何回か訪れているのに、実はその資料館を覗いたことは一度もありません。最初はもちろん、灯台そのものを見学に、二度目は神楽岩に下りたとき、そして三度目はその脇から通行止めになっている白田海岸への道を通ったときです。
いずれも資料館が休館の平日だったからですが、観光案内や稲取の風土記などで旧灯台の話は知っていたにせよ、直に資料館を訪ねないでは片手落ちだとかねがね思っていました。
さて、館内は掛け軸や絵画による説明書きなどが殆どで、当時の生活を物語るような物の展示はありませんでした。町の功労者として萩原スゲさんに贈られた有功章くらいのものでしょうか。
先の大戦で戦死した人たちの名前入りの額や、観音様の掛け軸が館内の半分を占めていたのにはびっくりしたしましたが、スゲさんの次男が戦死しているので、さもありなんというところです。
しかし、萩原家の灯台守りの姿を描いた絵がたくさん飾ってあったのは圧巻でした。なかでも、稲取漁港を描いた絵が当時の様子をよく写しており、参考になりました。また、峠の桜地蔵と灯台の絵も昔日を語っているものとして興味がありました
資料館は09;00~15:00 土日開館で、入館は無料です。シルバー人材センターからの方が一人、管理に出向いてきており、ちょうど庭の草取りをしていました。
灯台の脇に立てば、海を見下ろすことができます。稲取の灯台守りの活躍を多くの人に是非知って欲しいと思います。
刺繍 ― 2011/05/09
<ミカンの花が咲きだしています>
東中川の畑で中学校の元校長先生からお話しを聞く機会がありました。中でも、このブログにきのう掲載した旧稲取灯台の絵はすべて刺繍で出来ていると聞いてびっくりしました。
あの絵は女灯台守り萩原スゲさんの長男のお嫁さんが制作したものだそうです。そう言われて改めて写真を見ても、刺繍で出来ているとはとても信じられません。ただ、表現された素朴な描写が独特な印象を見る人に与えることは間違いありません。
元校長先生は教育長も務めたとか。当時、灯台の復元運動の一環として田町の公民館で刺繍画の展覧会を催すに際しては、その力にならんと奔走したそうです。
このお嫁さんが旧灯台のある資料館を町に寄贈したのだそうです。現在、沼津で刺繍店を営んでいるとのことです。
いずれにしても、あの絵の現物をもう一度見て、刺繍であることを確かめようと思います。
<ミカンの花咲く丘の路傍にベゴニアの花が>
伊豆の女神たち ― 2011/05/10
「伊豆の国 第二集」を読んでいて、先日、白田の人から聞いた三人の姫神さまの話を思い出しました。白田の浅間神社、雲見の浅間神社、そして富士山の浅間神社の三神社の関係を伝えてきた巷間のお話です。
白田の長女と三女の富士山の神様とが仲たがいしたため、天城山を間に立ててお互いの顔がみえないようにしたというのです。
同書の八岩まどか「女神たちの伊豆」では次のように紹介されています。
下田富士、富士山、そして八丈島の八丈富士が3姉妹で、下田富士が天城山を屏風に仕立てて、その陰に隠れてしまった。二人の姉が見える海の中にいて八丈富士が気をもんで見守っている、という話です。
白田の話では富士山の勝れた展望地、雲見の浅間神社が二人の間を見守るかたちです。八岩まどかさんはその話をこう結んでいます。
「伊豆には多くの女神たちがいた。彼女たちは、ときには蛇神の姿をした荒ぶる神となり怒りにまかせて激しい火山活動を起こさせたが、同時に新しい島を生み、命を育て、そして温泉の恵みを与えてくれる存在でもあった。伊豆は女神たちの国だったのである」
まことに、神々の話はそこに生きる人々の日常から生まれた愛憎劇とも言えましょう。
国際郵便 ― 2011/05/11
国際郵便で小包を送る場合、EMS国際スピード郵便が便利です。先ず、航空便としては一番早く配達されること、料金が安いこと、必要書類が少なくて済むこと、などがそのメリットです。
私どもでは、物品はたいてい2キロ以内にしていますが、今回はその中に収まりきれず2.5キログラムとなりました。それでも、2キロ以内に比べて700円高いだけです。
先ず、包装する箱を探します。なるべく軽い丈夫な段ボール箱でなければなりません。普段から宅急便などで受け取ったものを、捨てないでとっておく必要があります。
品物はその箱に入れられるだけ入れて、さて、何キロになっているか計量します。思惑通りでしたらOKですが、オーバーした場合は取捨選択に迷うものです。
結果、100グラムくらいの余裕が出来れば上々でしょう。梱包するのにガムテープなどを使うし、宛名ラベルを貼ったりするからです。それから、秤の誤差も心配になりますね。窓口で計ったら、予定していた重量をオーバーしていた、なんてことになり兼ねませんからね。
国際郵便では一般的に税関を通過するため、書類が必要になります。でも、EMSの場合は簡略化されているようです。個人利用が多く、取扱い量も多いというのがその理由なのでしょう。
EMSの場合、EMSラベルに宛先と当方のアドレス、品物名(英文字)、個数、金額などを記入してOKとなります。
以前はエコノミー航空便(SAL便)を利用していましたが、これは日本国内と到着国内が船便で、両国間は航空輸送という関係から日数が半月もかかるので、最近では料金が多少高くてもEMSを利用しています。だいたい一週間以内には配達されているようです。
かくして、私たちの思いを乗せて外国へ物が運ばれてゆくことを想像すると、発送までの煩わしさが、むしろ楽しい作業だったのだと思われて幸せな気分に浸るのです。
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