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炭焼き2012/08/18

キヌサヤのマルチ
木炭はクヌギやナラ、カシなどを焼くと固くて重い良質の炭が出来ます。叩くとカーンカーンと澄んだ音がします。

天城山麓を歩いていると、炭焼きの跡と思われる残骸を見ることがあります。寛文九年(1669年)に吉奈で薪炭林の植樹をした記録が残っている―――石原驍「伊豆の史伝 下巻」―――ことから、当時既に盛んに炭焼きが行われていたことが分かります。

その後、御料林となった天城山以外でも、古くから河津や下田の里山で炭焼きが行われていたことはその地を訪れたときに度々耳にしています。稲取でも入谷の山林が炭焼きの場になっていた話しを今日雨の中聞くことができました。

吉久保の上のミカン畑で雨空を見上げていた農家の方には以前にも石垣のことで、その薀蓄を披露していただいたことがあります。昔、石垣の築造に情熱を傾けたお話でした。今回は里山の炭焼きが話題に上がりました。

先ず、炭焼き人は山林の所有者と契約して一定のエリアを炭焼きの対象にします。このとき大事なのが“めっき(目利き)”です。そのエリアにどれだけの良材があるか、そして製品がどれだけの価格で売れるか、などによって契約金も違ってくるからです。

山に入ると最初に炭焼き窯を作ります。周りに石を積み上げて、その上に水で練った土を盛って天井を作ります。窯が出来上がると、伐採してきた木を等分に切って窯の中に入れ火を入れます。木炭の製法はやはり外部からもたらされたようです。

上の吉久保の方ではミカン栽培が忙しく、炭焼きを手掛けたことはないが、ミカンの枝を伐採したのを集めて炭焼き人に依頼したことはあったと言います。ミカンの木はクヌギやナラほどの固さはないものの、良い炭が出来たということでした。しかも、50俵もとれたそうです。現在80歳半ばになる彼の子どもの頃の話しでした。

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