<><><><><><><><><><><><><><><><><><>

犬どろぼう完全計画」2013/01/26

バーバラ・オコナー 作  三辺律子 訳  かみやしん 絵  文渓堂 刊 
(小学生向け)

或る日突然父親に家を出て行かれ、残された母親と少女、そして幼い弟の3人はそれまで住んでいたアパートを追い出されて、オンボロ車の中で寝起きするようになります。

少女ジョージナが犬どろぼうの計画を立てたのは、そんな惨めな生活から抜け出ようと考えたからでした。ジョージナは弟のトビーと計画を実行に移します。

計画とはこうです。先ず、金持ちの家から犬を盗み出す。そして持ち主が謝礼金付きの捜索願いの張り紙を町中の電柱に張るのを待つ、というものです。しかし、結局は盗んだ犬を持ち主に返し、すべてを白状してしまいます。

それというのも、盗んだ犬をある所にかくまっていたときに、そこに登場した不思議な男の影響が大きかったのです。ジョージナは当初から心のどこかにあった後ろめたさ、罪の意識を彼によってはっきりと自覚するに至ったのでした。

この物語には滑稽な話のやり取りが随所にあり、また、ジョージナの心の動きが我がことのように思われてドキドキしながら楽しく読み進めることが出来ます。一種の勧善懲悪ですが、子どもの頃にこういう本を読んでおくことは大事なことだと思います。